本シリーズはどの一話をとっても映画並みの見応えがあり、実に面白い。モースが地道な捜査と推理により犯人を探り当てる言ってみれば"ごく普通の警察もの" 多少アクションもあるけれど基本的にモースの推理が冴え渡る。1960年代という時代設定と背景に英国の文化、慣習が幅広く、奥深く描かれるので、集中して観ないとついていけなくなる。
本シリーズの魅力はそれだけではなく、モースがオックスフォードという地で同僚刑事や友人、知人と関わり合いながら成長していく人間模様も大きな魅力になっている。
シーズン4までは10年前から毎年1シーズン毎NHK BSでオンエアされていた。NHKでは未オンエアのシーズン5がGYAO！で配信され、連日一話ずつ一週間、堪能した。本作はシーズン9まで続くのだが、このシーズン5だけ6話あって（他シーズンは4ないし3話）、人気が最も盛り上がったシーズンなのだろう。モースの恋愛や良き理解者の上司の苦悩、警察署の行末など事件以外の展開が意表をつく重さで、ラストは過去一の余韻となっている。
