とわこ

アガサ・クリスティー 検察側の証人のとわこのネタバレレビュー・内容・結末

4.1

このレビューはネタバレを含みます

渡瀬恒彦の遺作「そして誰もいなくなった」が、今でも鮮明に面白くなかったので、アガサ・クリスティー作品に期待してなかった。その反動も手伝ってけっこうおもしろかった。

湿り気のある暗い風景のなか進んでいく物語。レナードの無罪を勝ちとったメイヒューが奥さんとフランスを訪れたころからこれまでと一転、まぶしい太陽の光が画面の隅々までふりそそぐ。

過去に起こったことを浄化するような太陽の光のなか、メイヒューには受け止めきれない現実が明らかになっていく。ここからラストまでのネガティブなものをテンポ良く見せてくる流れは、そこだけポケットにいれて、たまにコッソリみたい。

軽い気持ちで挑んだところ、真っ黒い鈍器でスローモーションで後頭部を殴られたような衝撃。最高でした。
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