Ayumi

シッツ・クリーク シーズン 6のAyumiのレビュー・感想・評価

シッツ・クリーク シーズン 6(2020年製作のドラマ)
4.0

税金逃れが発覚したことを機に、富豪のローズ家がシッツ・クリークという田舎町に引っ越す話。地方の人に特有の「人との距離の近さ」と、お金持ちのプライドと自意識が絶妙な会話のずれを生み出していて、とってもおもしろい。最初はなかなか溶け込めないローズ家だけれど、だんだんと町に愛着を持ち始める様子はちょっと感動的。シッツ・クリークをばかにする古い友人を一喝するジョニーの話はとても良かった。

それぞれのキャラクターが好きだけれど、思ったことを言いたい放題言うモイラが一番好き。大げさな言い回し(セリフに使われる単語の難しいこと)、豪華なファッション、たまに見せる他人への愛情深さ、すべて最高では?ドキュメンタリーでは、モイラの"self-involved"なところがゲイコミュニティのアイコンになっていると言及されていて、納得してしまった。

でもこのドラマの一番の良さは、長男デイヴィッドがパンセクシュアルであることを家族たちが当たり前に受け入れているところだと思う。シーズン5、6のデイヴィッドとパトリックが関係を深めていくエピソードは泣けてしまう。私たちのいる現実は厳しい世界だけれど、こういう優しい世界を作ろうという気にさせてくれる、素晴らしいドラマだった。
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