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ハンドメイズ・テイル/侍女の物語 シーズン5のhiのレビュー・感想・評価

4.1
Bury a friend…

ジューンの心が復讐の快楽と罪悪感に揺れ動くように、セリーナの立場もギレアドを行ったり来たり揺らいでいるのが興味深い。
これ以上ないくらい、いや今までもだいぶではあったが、憎み合う女2人のバッチバチのバトルが炸裂する。

からの、6話ラストのカタルシス。
7話はどれほどみんなが待ち望んでいた話であったか。私はめちゃくちゃ待ち望んでいた。
ジューンを頼ってしまうセリーナと、セリーナを見捨てられないジューンの、腐れ縁を通り越して白骨化したような結びつき。強い憎み合いの先にある不思議な絆。
今まで2人の間に起こった残酷な思い出が嘘であったかのような、甘い納屋での時間。とても好きだった。

もちろん、その後もハッピーな展開にはならないのだが。期待を裏切らないシビアさ。
「あなたは友だちじゃないの」。
最終話でジャニーンからナオミへもこのセリフが出るのが良い。侍女と妻、つまり被害者と加害者の立場は、決して覆らない。
セリーナに侍女としての振る舞いのコツを教えるジューンがとても良かったが、セリーナはその境遇に長く耐えられはしなかった。
最終話の列車のシーン、ビリーアイリッシュの曲も相まってにっこりしちゃった。セリーナ、本当に上手くいって良かったね?
挿入歌でいうと、The chainのタイミングも絶妙だった。

しかし同時に消化不良でもある。
キャラクターそれぞれの揺れ動く感情にのめり込みすぎて、毎度疲労感がすごい。毎話ガラッとキャラクターの立場や考え方が変わったりするので尚更である。そこが本作の面白さではあるのだが。
マーク、前半はどっちつかずのハラハラさせるキャラクターであったが、後半はやや可哀想な苦労人ポジションになっていたのが残念。彼にはもっとハラハラさせてほしかった。
また、今シーズンで大きく動いたところとしてはリディア伯母やニックあたりだが、彼らの物語も道半ば。リディア伯母の“改心”は結局“自分(とジャニーン)可愛さ”であったのは良いのだが、元「目」のニックはもっと上手く立ち回れただろうに……とがっかり。
ローレンスもヤケで暴走しているように見える。もう大丈夫じゃないよこのじいさん。
そして、ルークの「辛いけど何もできない」もどかしいパートナーの表現は良かったけど、似たようなシチュエーションで再びジューンと離別する展開にはやや飽きが来た。

とにかく、次のシーズン6で物語がいよいよ締まるとのことだ。
めでたしめでたしでは決して終わらないだろうけど、とにかく不憫なハンナが幸せに生きる未来が訪れてほしい……ハンナにとってギレアドでの暮らしが幸せとはならないだろうが、あまりにもハンナの意思が描かれていないことがやや心配である。

どうにかしてハワイから遠隔でギレアドの司令官たちを爆破できないものか……
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