会社でついつい場の「空気」を読みがちな主人公の凪が、職場での人間関係に疲れて会社を辞めるところから物語は始まる。
東京の一流企業の職場から、東京郊外立川のぼろアパートに移り、人生の「お暇」を過ごす凪の生活と心優しいアパート住人との交流を群像劇で描く。
凪と元彼の慎二には、世間体を気にする毒親に育てられたという過去があり、現在でもその関係に支配されているという背景がある。
お暇生活で知り合う社会の辺境にいる人々との交流により、凪は心を癒されると同時に、親の支配から逃れようともがく。そして少しずつ精神的に自立をしていく。
登場人物それぞれに魅力があり引き込まれる。主人公を演じる黒木華が素晴らしい。このドラマの前に「重版出来」を観たのだが、まるで別人だ。
脇を固める癖のある登場人物も素晴らしい。片平なぎさの毒親ぶりはホラーの域だ。
現代の日本社会を映し出す素晴らしい作品だと思う。
