うにたべたい

仮面ライダーアマゾンのうにたべたいのレビュー・感想・評価

仮面ライダーアマゾン(1974年製作のドラマ)
4.0
生後まもなく飛行機事故により南米アマゾン奥地で遭難した山本大介(アマゾン)は、ジャングルの中で野生児として育つ。
インカの秘宝「ギギの腕輪」を狙い氾濫を起こしたゲドンから腕輪を守るため、古代インカ一族の長老バゴーは、アマゾンにギギの腕輪を移植し、秘術によってアマゾンを仮面ライダーアマゾンに改造する。
故郷、日本に渡ったアマゾンを追って、ゲドンもまた日本にやってきた。
ギギの腕輪を守り、ゲドンの野望を阻止するため、アマゾンは戦い続ける!

仮面ライダーシリーズ4作目。
"メカニカルな仮面ライダー"をイメージとして作成された前作、仮面ライダーXから怪奇ものというコンセプトに原点回帰を意識した内容となっています。
ただ、メカニカルなXライダーからがらりと変えた結果、どういったわけか主役が南米アマゾンで育った野生児になってしまったという、シリーズ屈指の異色作ですね。
敵を倒す技も基本的に噛みつきやひっかきで、敵の獣人も流血を噴出させながら悶絶死します。
倒れる獣人を背後に「ケケーッ!!」という雄叫びを上げながらポージングするアマゾンは、一歩間違えると敵の怪人のような異様さがあります。

現在でこそ再評価されていますが、当時の少年達の受けはいまいちだったようで、視聴率は徐々に低迷しました。
ただ、アマゾンのインパクトは強烈で、昭和ライダー内でも知名度の高いライダーだと思います。

テレビ局の都合により全24話と短命に終わっています。
前半と後半で敵組織が異なり、そのタイミングテコ入れが入っているようです。
前半では十面鬼率いるゲドンが敵組織です。
それに対するアマゾンは、南米から日本に渡ったばかりのため腰みの一丁というスタイルで、言葉も文明もわからない状態です。
人々を守るためゲドンと戦っているのですが、見た目明らかに不審者のためついでにお縄につくシーンもあり、「ニンゲンキライ!」と叫びながら走り回るシーンもあって、シュールさを感じました。
半裸で走り回ってたらそりゃそうもなるわと思うのですが、ギャグではなく本気でやっているので、微妙な気持ちになりました。

後半では、小学生のマサヒコに習って日本語を話せるようになります。
ワイルドさはありますが、一応、上着も着用し、ジャングラーという専用バイクも与えられ、脱・野生児感があります。
個人的には、後半はアマゾンの個性が薄れている感じがあり、前半の方が好みですね。
ちなみに最終回では全身白いスーツに身を包んだアマゾンが登場してたまげました。

全24話ですが、途中敵組織が交代した以外は、序盤と終盤で設定はほとんど変わらないです。
序盤、ゲドンのモグラ獣人がアマゾンの友達になり、マサヒコ少年と姉のリツ子、そして立花藤兵衛が仲間として共に戦います。
アマゾンが改造された経緯等についてはほぼ説明なく、ゲドンやガランダーを壊滅させて終幕となるため、アマゾンのインパクトに寄っていて、ストーリー自体の深みはあまり無いように思いました。
アマゾンに移植されたギギの腕輪と、敵組織の持つガガの腕輪を一つにすることで超パワーが手に入るのですが、そもそもギギの腕輪やガガの腕輪がどこから来たものかについては謎のままで、アマゾンは結構謎に満ちたライダーといえます。

ゲドンの親玉・十面鬼も、異様な容姿をしていて、アマゾンとの戦闘は異様vs異様感があります。
アマゾンは昭和ライダーの怪作ですね。