うにたべたい

仮面ライダーストロンガーのうにたべたいのレビュー・感想・評価

仮面ライダーストロンガー(1975年製作のドラマ)
4.1
悪の秘密組織・ブラックサタンの元に、ある日、一人の青年が訪れる。
彼の名は「城 茂(じょう しげる)」、ブラックサタンの恐ろしい企みを知り、思いっきり悪事を働きたいと考えた彼は、ブラックサタンで改造手術を受けることを望みます。
城茂の肉体を気に入ったブラックサタンは、城茂に最高の改造を施し、城茂は改造電気人間ストロンガーになるが、機械の肉体を手に入れた城茂は、早々にブラックサタン基地内で暴れまわる。
彼は、ブラックサタンの改造手術によって命を奪われた親友の無念を晴らすため、ブラックサタンと戦う力を手に入れるため改造手術を受けたのであった。
ストロンガーはブラックサタンの基地を抜け出す際に、拉致されて電波人間に改造された岬ユリ子を救い出す。
城茂こと、仮面ライダーストロンガーと、岬ユリ子・電波人間タックルの戦いが幕を開ける!

仮面ライダーシリーズ5作目となる本作は、異色作であったアマゾンと代わって、わかりやすいヒーロー像となっています。
ただ、敵が集まって悪事を働いている現場に駆けつけて、「まてぃ」と叫んで現れるようなことはしないです。
まずはどこからともなく、悲しげな口笛が聞こえます。
その口笛の発生源を探してキョロキョロする敵が、しびれを切らして「出てこい!」と叫ぶと、崖の上などに城茂が現れるわけです。
そして、両手をスパークさせてストロンガーに変身し、前口上が始まります。

 「天が呼ぶ、地が呼ぶ、人が呼ぶ!悪を倒せと俺を呼ぶ!聞け悪人ども!俺は正義の戦士!仮面ライダーストロンガー!!」

この勿体つけた登場シーン、ニヒルでキザな演出が、仮面ライダーストロンガーの魅力ですね。
なお、本作でも立花藤兵衛は引き続き登場しますが、自由な性格の城茂を相手に振り回される役となっています。
本作についてはどちからというとコミカルなシーンが多く、これまでのライダーシリーズと違う美味しい役どころだったと思います。
また、敵の幹部が2人登場します。タイタンとジェネラルシャドウですね。
この二人の仲が非常に悪く、二人の足を引っ張り合いも、序盤の楽しめるポイントだと思います。
大体、ピンチのときは、相手の足を引っ張るため敵のどちらかが助けに入るという、いい加減、大首領が哀れに感じてきます。

後半では、ブラックサタンに代わってデルザー軍団がストロンガーの前に立ち塞がります。
デルザー軍団は全員が幹部クラスで、ストロンガーも度々ピンチに陥るのですが、ここで登場するのが、"チャージアップ"という強化システムです。
終盤まで盛り上がりを見せてくれた傑作だと思います。

なお、残念ながら視聴率奮わず、予定より短い39話で終了となりました。
仮面ライダー1号から続いたライダーシリーズは、ストロンガーの最終回を持って、しばらく新しいシリーズが作られない時期が続くことになります。
ラストは仮面ライダーストロンガーの終了というよりも、"仮面ライダーシリーズ"の終了を意図した作りになっており、それだけに歴代仮面ライダーの総出演と、すべての悪の組織を牛耳っていたという黒幕との戦いが行われるという、力の入った終わり方になっていました。