うにたべたい

仮面ライダースーパー1のうにたべたいのレビュー・感想・評価

仮面ライダースーパー1(1980年製作のドラマ)
4.2
アメリカの国際宇宙開発研究所で、ヘンリー博士の元、進められていた惑星開発用プロジェクト。
そこに参加していた日本人の青年・沖一也は、自ら志願して惑星開発用改造人間・スーパー1となる。
しかし、そこに悪の組織・ドグマが現れ、ヘンリー博士にスーパー1の引き渡しを要求、それを拒否したヘンリー博士は殺され、研究所は破壊されてしまう。
混乱の中、沖一也はなんとかスーパー1に変身し生還するが、彼は自らの力のみで変身することは不可能だった。
日本に戻った沖一也は身を隠し、赤心少林拳の老師の元で心身を鍛え上げ、変身の極意を会得する。
かつてスカイライダーと共にネオショッカーと戦った谷源次郎に、仮面ライダースーパー1の名を贈られた沖一也は、人類のため、ドグマ王国と戦うことを決心する!

昭和ライダー7作目、9人目となる仮面ライダースーパー1。
本作終了によりテレビシリーズの仮面ライダーも終了となり、テレビシリーズは次に始まる仮面ライダーBlackまで6年待つこととなります。
ただ、スーパー1の評判が落ち込み仮面ライダーというコンテンツを終了せざるを得なくなってしまったわけではなく、むしろスーパー1は放映直後から終了時まで人気が高く、コンテンツとして成功した仮面ライダーです。
過去のライダーでは人気が低迷すると、テコ入れとして先輩ライダーの客演が行われていましたが、スーパー1に関しては先輩ライダー登場回は無く、スーパー1のみで4クールやりきっており、スーパー1は非常に安定していた作品でした。

スーパー1は、スカイライダーのテコ入れとして、スカイライダーと交代する案や2号ライダーとして登場する案としてデザインされていた「仮面ライダーV9」が元です。
仮面ライダーV9は、銀色の鼻と口が描かれた割りとトンデモデザインなのですが、空を駆けるスカイライダーの上を行く、宇宙で活躍するライダーという設定がスーパー1に踏襲されています。
V9のデザインは一新されましたが、結果、スーパー1のデザインは昭和ライダーでは飛び抜けてかっこいいと思います。
メカニカルな銀のボディを持ち、襲い来る怪人を赤心少林拳でなぎ倒す、そして変身は宇宙を舞台に活躍する宇宙飛行士という、少年の夢を詰め込んだような設定です。
沖一也の熱血で真っ直ぐなキャラクターと、ハルミ、チョロ、そして谷源次郎というサポートキャラもストーリーに絡み、毎話楽しんで見ることができました。

ただ、中盤の24話より、内容の方向性が大きく変更になります。
好評だったスーパー1への"テコ入れ"ではなく、放送枠移動のため、子供向けに改変されており、後期スーパー1以降については賛否が分かれています。
敵組織がドグマ王国からジンドグマに変更になり、ジンドグマの4人の幹部によるコミカルなやりとりが繰り広げられるようになります。
また、怪人も、イスや釣り竿、石けん、扇風機、ライターやはしごといった、身近な家具や日用品モチーフになります。
子どもたちで編成されたジュニアライダー隊が組織され、また、大きなポイントとして、人が殺されるシーンが極端に減るようになります。
敵の作戦もずさんさが目立つようになるなど、後半からはターゲットが完全に子供向けの特撮になるので、ここから楽しめなくなる方もいるかと思います。
個人的にはジュニアライダー隊の、特にマサルやミチルの活躍回はとても楽しめました。

最終回も素晴らしかったです。
ミチルの気持ちを思うと切なさを感じますが、人類の未来のため次の舞台へ起ってゆく、スーパー1の戦いは続いてゆくことが感じられるラストでした。