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令和元年版 怪談牡丹燈籠 Beauty&Fearのdaiyuukiのレビュー・感想・評価

4.7
恋焦がれて死んだ美しい娘の幽霊が、カラン、コロンと下駄の音を響かせ、夜ごと愛しい男を訪ねる怪談「牡丹燈籠」。実はこの「お露・新三郎」の怪談話は、初代三遊亭圓朝による長編落語のほんの一部にすぎません。原作は、お露の父・平左衛門(高嶋政宏)とその忠臣・孝助(若葉竜也)、お家乗っ取りを企む希代の悪女・お国(尾野真千子)と、その間男・源次郎(柄本佑)、強欲な町人夫婦・伴蔵(段田安則)とお峰(犬山イヌ子)。男女の色と欲が生々しく交錯するドロドロの人間ドラマであり、20年にもわたる壮大な敵討ち、因果応報の物語になっています。その不朽の人間愛憎劇を、令和元年の新たな視点と演出で、初めて完全映像化します!
身分違いの結ばれなかった恋の未練に生と死そして人間の域を超えて求め合う新三郎とお露の殉愛、お家乗っ取りを企む源次郎とお国の色と欲で結ばれた悪党カップルの共犯愛、飯島平佐伯衛門と黒川孝助の奇妙な因縁の主従、因果応報と色と欲そして愛憎が絡み合うドロドロの人間ドラマが、尾野真千子や柄本佑や上白石萌音や高嶋政宏や段田安則などの演技派俳優のアンサンブル、作り込んだ特殊効果を生かしたホラー描写、本格的なチャンバラアクション、現代においても通じる人間愛憎劇として楽しめる。
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