Omizu

エリザベス1世 〜愛と陰謀の王宮〜のOmizuのレビュー・感想・評価

4.0
【第58回エミー賞 リミテッド・シリーズ部門作品賞受賞】
『英国王のスピーチ』トム・フーパーによる歴史ドラマ。エミー賞では作品賞など9部門を独占した。

面白かった!一番血なまぐさくて好きなエリザベス1世時代を描いた重厚なテレビシリーズだった。

ケイト・ブランシェットのエリザベスもいいけどヘレン・ミレンのエリザベスもいいね。

トム・フーパーはやっぱり映画でなくテレビの人なんだと思う。『英国王のスピーチ』も『レ・ミゼラブル』もいいと思えなかったが、本作はすごくよかった。ドラマのリズムというのをよく理解してつくっている。

中世を舞台にした政治ドラマ、というよりエリザベス1世の恋愛遍歴を描いている。前半はレスター伯、後半はエセックス伯、個人的には前半の方が面白かったが、後半もそれはそれでよかった。エセックス伯とロバート・セシルの確執をよく描いている。

そしてエセックス伯の側近にはエディ・レッドメインがキャスティングされている。この頃はまだ若手という立ち位置だったのかな。そんな目立った活躍はなく終わってしまったが、明らかに異質な存在感だった。

女王を取り巻く愛と陰謀、副題の通りなかなかドロドロした人間模様になっていく。エリザベス1世という君主に人間味を持たせて見事に描いている。もちろんヘレン・ミレンの演技も最高。威厳を保ちつつ二人の男を愛した女王を好演している。

適度に起伏があって退屈しない。映画二本分の尺だが、しっかりその価値がある。ドラマとして見応えのある作品に仕上がっていた。
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