※1部2部合わせてのレビュー
大傑作。
2020年に課金して初めて見て、それから先日無事4回目を等速で完走した。好きすぎてレビューを書くのに4年もかかってしまいました 笑。
自分の三国志はこのドラマからだったけど、三国志ミリ知らOK。ある意味ホームドラマ。冒頭2話だけで続きが知りたくて仕方ない畳み掛けにまんまとハマりました。
毎度「どうなるんや!?」ってとこで終わるので先が気になりすぎて三国志知ってるとか知らないとか関係なく止められなくなるんですよ。
話数は長いけどダレる暇がない。重くなりそうな流れで挿入されるユーモアの塩梅が非常に効果的で飽きさせず、この作品に限っては小さなエピソードの積み重ねが人物像を厚くする。
皆の知る歴史で、これほどの長尺を「次、早よ!」と毎回思わせるのは凄まじい構成力と脚本です。
最終話を見終え、曹操はじめ四代に渡った君主に仕えた司馬懿の半生を描くのに86話を使うのは必然なんだと心から納得したし、むしろ長時間楽しませてくれてありがとう、とお礼を言いたい。
乱世を舞台背景に、ともすれば諸葛亮の引き立て役にされその後を考えると悪人に描かれてしまう司馬懿を主役に据えて、丁寧な感情描写、国家中枢に生きる利害や駆け引き(まさに命懸け)、親子家庭のありようなど創作エピソードで史実や三国志演義を埋めてゆくストーリーの卓越性。
そこへ主役だけでなく、登場する主要キャラに対する愛情の度合いが非常に強い。
敵味方関係なく、人は清濁合わせ持ち矛盾に満ちているもの。でも最期の瞬間には本質が光ると言わんばかりの演出とそれに応える俳優陣の見事な演技に痺れます。つか痺れっぱなし。
そして歴史ドラマで一番の難題となる現代の倫理観との乖離を、張春華と司馬孚のブレない設定、候吉や柏霊筠といったオリジナルキャラを配し終盤物申すことでギリギリを攻める事に成功したのではないでしょうか。
何回も最後まで見て思うのは、このドラマの企画って当然監督やプロデューサー脚本の力も大いにあるけど、“制作総指揮“も務めた主演 呉秀波の功績が一番大きいのかも。
彼の自己プロデュース力には恐れ入る。
二、三点「なんでそうなる」と感じる配役や設定もあるのだけど、前提として再度見るとそこも気にならなくなる。完全に“あばたもエクボ“域に入ってしまいました。
過去見た中国大陸ドラマで堂々のNo. 1です。大傑作。