ストーリー:★★★★★
キャラクター:★★★★★
映像:★★★★☆
音楽:★★★☆☆
スティーブ不在のキャプテン・アメリカを継ぐ物語がこんなに面白くなるなんて思わなかったよ。
登場人物がみんな苦悩と葛藤に苛まれているのがすごく人間らしくてよかった。
サムは後任を断ったものの、ずっとモヤモヤしてるし、バッキーは洗脳からの脱出に四苦八苦。
しかし、メイン2人より一番苦しんでいたのは、ジョン・ウォーカー(ワイアット・ラッセル)だよね。
僕は今回のドラマの中で、2代目キャプテン・アメリカを担った彼が一番辛い立場だったと思う。
ジョンは優秀な陸軍兵士で、アメリカ政府から2代目に任命されたけれど、そのプレッシャーって半端なさすぎじゃない?って。
キャプテン・アメリカはもはやアイコン的な存在で、常に国民の模範とされる。
さらに、サムとバッキーは、自分たちの大切な仲間の盾を使われていることに、どこかしっくりきていない様子で、ジョンと仲良くしようとはしない。
ジョンからしたら、先輩からよく思われていないっていう、人間関係的にもやりづらい状況じゃんね。
しかも、彼は身体能力が高いとはいえ、あくまでも普通の人間。
アベンジャーズの一員であるサムやバッキーとも違うし、今回の敵であるフラッグ・スマッシャーズのメンバーのように超人血清も打っていない(結局途中から打つけど)。
もうね、精神的にかなりストレスフルすぎるだろって。
だからか、途中から彼は常に何かにイラついている印象を受けたなー。
相棒が敵に殺された後なんかは、怒りと悲しみが爆発しすぎて、闇が深かった。。。
そんな中で、フラッグ・スマッシャーズとの戦いが続いていくのだけれど、果たして彼らは本当の悪だったのかっていうところを考えさせるのも、このドラマの見どころ。
そもそもこの世界は、サノスの指パッチンで半分の人が消えて、それに順応してたんだよね。
それが5年後に急にみんな戻ってくるから、世界中がカオス。
フラッグ・スマッシャーズとしては、以前の半分の人がいなかったときのような、国境なき世界に戻したい。
だから、国境で分断させようとしているGRC(世界再定住評議会)と真っ向から対立しているわけ。
最終話では、そんなフラッグ・スマッシャーズをただのテロリストとして片付けようとしていたGRCのお偉いさんに、サムが苦言を呈するところが印象的だった。
「テロリストや難民というレッテルは、難題を避ける逃げ口上だ」と。
GRCのような巨大組織には、時としてサノスの指パッチンのように、世界に大きな影響を与えることができる。
だからこそ、今回フラッグ・スマッシャーズが行動を起こした理由を考えるべきだと説く彼の姿は、スティーブ以上に優しく公平な新しいリーダー像を感じた。
さらに、このドラマは黒人の差別問題を考えさせるようなセリフやシーンも多い。
こういう現代のアメリカ社会を意識して作られたような設定はリアリティがある。
そして、まだまだ続きそうな予感。
シャロン・カーター(エミリー・ヴァンキャンプ)が。。。