マルコ

憎くても愛してるのマルコのネタバレレビュー・内容・結末

憎くても愛してる(2017年製作のドラマ)
3.1

このレビューはネタバレを含みます

血の繋がらないおばさんと暮らすウンジョと、大手化粧品会社の2代目社長であるソクピョ、それを取り巻く人たちの話です。ウンジョは両親を亡くし、父親と懇意だったヘンジャと弟のミョンジョンと暮らしていますが、不満を持っていてクラブ通いや無駄遣い(ヘンジャのお金)が止まりません。ヘンジャは血の繋がらないウンジョに対し愛情を持っているのは確かですが、貧乏から這い上がって財産を築いてきたため荒い口調でウンジョを嗜めています。
一方ソクピョは横領罪で裁判にかけられ有罪に。会社の直営店であるビューティセンターに下っ端のアルバイトとして入ります。
二人には何不自由なく育ったため自信家で傲慢。腎臓移植を受けている、親の愛に飢えているなど様々な共通点があり、惹かれあっていきます。

話数が多く、最初の方は言い合いばかりだし話も進まないのでつまらないなと思っていましたが15話くらいから段々と見入るようになりました。
よくある、水戸黄門的展開(不躾な態度をとっていた人が手のひらを返したように優しくなる)などはありません。
町の人、ソクピョの会社、ビューティセンター、ウンジョの家族が絡み合って、喧嘩をしながらも実は愛情があるハートフルストーリー…ウンジョやソクピョが気持ちを入れ替えて成功していく…というような物語だと油断をしていると、雲行きが怪しくなっていきます。
70話〜83話くらいまではかなり苦しいです。ウンジョたちが邪険にされ、間違ったことをしてないのにチョン先生の娘(長女)にもひどい扱いをされる。ここら辺でチョン先生の笑顔に吐き気がしました。イヌ(チョン先生の長女)には言い分があまりにも非論理的で自己中心的で怒りが収まらず、飛ばして見てしまうほどでした。
ただ、ヘンジャが目を覚まして記憶が戻ってきてからはヘンジャとウンジョたちの絆がより濃く描かれていて涙が止まりませんでした。
それから、チョン先生のシーン、特に100日掃除の姿は胸が苦しくなりました。自業自得であるものの、娘のために必死に改心しようと思っていた努力に、あれだけ憎かったチョン先生も愛おしく思えました。ウンジョへの豚の貯金箱、拾った指輪を入れるところ、なんかもいじらしかったです。イヌも壊れた心が直ってきて笑顔さえも遠慮がちになっているところは見ていて切なくなりました。また、何気に二人は調査能力が高く(笑)、ソクピョの会社から悪者を追い出す際の証拠集めなどは目を見張るものがありました。ヘンジャに恩を感じているようなので、今後も良い関係が続けばいいな。
終始誰かが怒っていたり喧嘩したり、悲しい展開が多いのですが笑えるところも結構あります。個人的にはボグムさんが面白くて、特にウンジョたちの新居で、ソファの上に布団を置いてそれをめちゃくちゃ力強く叩いていたら、きなこもちを食べているチョン先生がむせてしまって、同じぐらい強い力で背中を叩いてたシーン(笑)役者さん、普通に痛かっただろうな(笑)

最後に、叔母さん役の方がお亡くなりになられていると知って悲しくなりました。ドラマの中では明るく落ち込むことなんてなかった役だったので。最初は、かき回して嫌だなーと思っていたのですが、ウンジョもヘンジャもソクピョもみんなみんな思慮深く遠慮がちな人たちなので、コモがいなければストーリーは進んでなかったと思います、めちゃくちゃ必要な役柄でした。いろいろでてらっしゃるようですが、もっと他の役も見たかったな。もしあるなら続編とかね。ご冥福をお祈りします。
マルコ

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