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ガリレオXX 内海薫最後の事件 愚弄ぶのmaroのレビュー・感想・評価

4.0
 ストーリー:★★★★☆
キャラクター:★★★★☆
    映像:★★★☆☆
    音楽:★★★☆☆

『ガリレオ』シリーズのスピンオフドラマ。
今回は内海刑事(柴咲コウ)が主人公。
湯川先生(福山雅治)もちょこっと出ているけど、本当にチョイ役。

このシリーズ、トリックを科学的に解明していくことがウリである。
湯川先生不在でそこをどうやっていくんだろうと気になってはいたが、実際想像以上に面白かった。
街中でたまたま見つけた怪しい人物・上念研一(ユースケ・サンタマリア)に端を発し、昔の事件にまで遡るというスピンオフにしては意外と大掛かりなストーリー。
科学的な立証はないけれど、地道な捜査で徐々に手がかりを集め、つなげ、事件を解決していく流れは見ごたえあり。

いつもは犯人が最初からわかっていて、どうやって罪を犯したのかという過程に目がいくよね。
でも、今回は犯人がわからずに、オーソドックスな推理をしていくから、王道のミステリードラマという形で楽しめた。

キャラクターもよかった。
天才的な頭脳で、マイペースな湯川先生と違い、凡人の内海刑事。
古い体質で女性だと舐められる警察組織内において、何かと目の敵にされがち。
自分が刑事に向いているのか自問自答するときもありながら、あきらめずに真相解明に向けて突き進んでいく姿はかっこいい。

ただ、最後の上念と内海刑事のやり取りはあんまりしっくり来なかったなあ。
彼が犯人ではないことは確定なんだけど、悲劇のヒーローになりたいという彼の内なる願望と、それを察した内海刑事の推理がどうも腹落ちしなくて。。。
その願望があるならもっと行動で示して欲しかった。
行動があまりないから、内海刑事の推理も勘でしかなく、「本当に上念はそう思っていたのか」という疑問が拭えなかった。

そんなわけで、湯川先生がほとんど出ないので、福山雅治目当てでこのシリーズを観てきた人には物足りなさはあるかもしれない。
でも、ドラマとしてとても面白いので、ぜひオススメしたい。
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