カミキハラ

北の国からのカミキハラのレビュー・感想・評価

北の国から(1981年製作のドラマ)
5.0
"感謝"
まさに自身の人生を見つめ直すきっかけをくれた作品。

今作を通して驚くぐらい実感した、俗に言う古き日本の男尊女卑の考え方。
ストレートに男尊女卑という考え方は良いとは思わないが、今作を観た上で改めて柔軟に考えてみるとこれはこれで役割分担がしっかりとできているように思える。
作中では、幼い時から女の子は家事をやるのが当たり前、親戚や友人が集まった食事の席でも仕事をするのは常に女性。男の子も幼い時より、男なんだから我慢しろ、男なんだから強くあれとこれまた時代錯誤な言葉が飛び交っていた。
ただ、昔はこれでうまくいっていたのだろう。
それはやはり、今と違い男が一家の大黒柱としてしっかりと立っていたからだと思う。
仕事をして家族を養うだけでなく、圧倒的な存在感で家族を守っていたからなんだろう。
今シリーズを観て、自身の家族がそうであったように日本の古き良き家族像、父親像を思い出した。

昨今はフェミニストの声ばかり拡声され、やれ男女差別だやれ平等であれだの騒がれるようになったのには、もちろん女性の社会進出の加速もあるが純粋に現代の日本男児が昔と比べてだらしなく頼りなくなってしまったことも原因の一つなんだと思う。(賛否両論はあると思いますが)
今の男性には有無を言わせないほどの存在感がなくなってしまったのだろう。
女性が立てたいと思える様な男性が少なくなってしまったのだろう。
だから悪いというわけではなく、時代に沿った生き方や考え方が大切なのはわかるが、この時代のこの在り方は自身として『家族』というものを明確に表しているように思えた。

作品の感想とは逸れてしまったが、今作はこれ以上なく厳しく優しい家族愛を教えてくれる、自分にとって最上の作品となった。

結婚をした時や子どもができた時、また人生の節目が来るたびに観ようと思う。
今作品に出会えて本当に良かった。
ありがとうございました。