うろもとうとか

北の国から '98時代のうろもとうとかのネタバレレビュー・内容・結末

北の国から '98時代(1998年製作のドラマ)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

前編
今作冒頭で明らかになってくるものの
今思い返せば着々と正吉
螢のこと気になっていたように思うな
そしてサラッと推しの一人であった
大滝秀治さんが亡くなってて密かに辛かった
シュウの実家とか
一応ちゃんと挨拶行ってたんだな
段々シュウの喋り方とか演技プランが
自然体になってきた気がする
つくづく幸せになれないオーラは
感じつつはあったけど雪子さんはほんと
幸せになれない星の人感凄いな…
挙句の果てに草太兄ちゃんに事故で風呂覗かれて
年増だったって言われちゃうしな笑
螢が口に出してお腹に赤ちゃんが…
って言う前になかなか生々しい
牛の出産シーンで涙ぐむ螢
暗示させる演出ヒリヒリ
そこからの草太兄ちゃんの動きや台詞
境遇も踏まえた信念
喫茶店で正吉に計画を話すとき
一歩間違えたらいつもの冗談な空気に
転がりそうなところを
突拍子のなさはそのままに
正吉と黒板家の境遇だけにピンポイントに刺さる
草太兄ちゃんから言われるからこその
説得力を感じる、いい意味でバカみたいな計画
あからさまに純の前でも思い詰める正吉
そして計画を正吉は自分の中で
密かな想いとうまい具合に重ね合わさって
草太兄ちゃんに続き
正吉も正吉なりな本気のアプローチにより
それなりにとんとん拍子に進む
正吉が純に打ち明けたあたりから純の演技が
子どもの頃の演技プランみたいになって
なんだか兄としてかわいかったし
話を聞いてとんできた正吉のお母さんも
母親としてかわいかった
そして少し違う真実がそこにはあることに
多少胸が痛んでいるのか
複雑そうな螢にヒリヒリした
ビクビクしながらついに五郎さんに報告する
子供たち
いきなりの話にミリオネアのみのもんた並みに
どっちのリアクションかわからない五郎さん
ゆっくり溢れだした感情はシワシワの喜びだった
正吉、螢へと1人ずつ手を握り
純がみたことのないほどの純粋な喜びの涙だった
螢の相手が昔から知ってる
真っ直ぐな正吉だということもあるだろうけれど
不倫すらも螢が幸せならと言うものの
絶対心の何処かで
自分も不倫でダメージを負った側だから
その引っ掛かりがとれたのもあったと思う
そこからみんながお祝いに集まってくる感じ
逆に嫌な予感していたら
案の定倉本聰節全開で
無農薬、農薬問題が悪い方に転がる
みたことのない睨みを利かせて
5年かけて寛治さんが土を生き返らせた畑に
農薬を撒く草太兄ちゃん怖すぎた
病気が出たあたりから
もう涙目で草太兄ちゃんに怯えていた
完治さんこと小野田良さんの
感情演技ヤバかったし
草太兄ちゃんの兄ちゃんじゃない一面
あの睨みだけで全てを語っててすごかった
後編
久方ぶりの家族の団欒
黒板家自体はそんな調子だけれど
裏では真実がネガティブな方向へ
中畑のおじさん口滑り過ぎだろ…
元を辿れば草太兄ちゃんだけど
良くも悪くも結局嘘つけない人達なんだよな…
引き続きシュウと五郎さんのやりとり染み入るな
このあとの遺言のこととか知ってたら
何の安心にも繋がらないやりとりだけど
そして前編を不穏な空気で締めた
完治さんのターン
組合の人たちから目線だと自業自得というのも
もちろんわかるけれど
時代の変化とともに昔は当たり前だった
人の打たれ強さにも変化が生じていて
厳しい言葉が殺し文句になりかね無いこと
そこにも"時代"というキーワードを感じた
完治さんを追い込んだことや
表向きは金儲けのことばかりに思えた
草太兄ちゃんを嫌いになりそうな純
自論ではあるけれど
完治さんとは違う意味のある借金で
ふらふらしてる純のこととかも考えた上で
未来を切り開こうとしていた矢先
雪に血を吐きしっかりとしたフリで
翌日亡くなってしまう
あの状況だと純はどんなに頼まれても
完治さんのことを考えると断るのは当たり前だ
まさか引き換えに草太兄ちゃんが亡くなるとは
思いもしない
こんなの純は自分を責め立てるに決まっている
黒板家を筆頭に関わってる人達
立て続けに精神的ダメージ凄すぎるな
そして雪子おばさんから聞かされる
やはり螢どころか純をも想っての動きだったこと
そりゃ純は泣き崩れる
ついに問題の牧場を継ぐかどうか問題
(遺言で速攻悲劇の借…と化すとは…)
そして五郎さんと螢の暖炉の前でのやり取りが
泣けるでしかない
螢の涙の種類が泣きながら
ちょっと変わっていく様も含めて
(遺言で誘拐犯!
とやり取りしてるとは思えない美しいやりとり笑)
死ぬ前に残した草太兄ちゃんの羽振りのいい
結婚式のプランに
俺への当てつけかと
久方ぶりに臍を曲げてしまう五郎さん
こういうやり取り良い
なんとか式には参加したものの
酒に逃げる五郎さん
そんな五郎さんを
草太兄ちゃんのスピーチの練習のテープが
我にかえらせ、そしてみんなの涙が溢れる中
全力ではじまる名場面集
遺言が作られたものの
今作でこんなに全力で締めていたとは
スピーチのテープから号泣必須でした