クリーム

チェルノブイリのクリームのレビュー・感想・評価

チェルノブイリ(2019年製作のドラマ)
4.3
ようやく観る気になった。U-NEXTに加入されている方は、観て損はない凄い作品だと思います。一部、目を覆いたくなる様な被爆者の映像等があるので、苦手な方は注意が必要ですが…。
1986年4月26日にソビエト連邦のチェルノブイリ原子力発電所で起きた事故を事故に至るまでの様子を秒刻みで克明に追い、その後の対処方法も事実に基づき忠実に再現しています。さらに事故で被曝した多くの関係者達のドラマやその証言を元に事故の原因を突き止めていくと言う内容です。
冒頭、事故から2年後、レガソフが真実をテープに語り尽くした所から、始まります。この後、彼は自殺しています。
映画が伝えたかったのは、嘘の代償。 本当に危険なのは真実を見誤ることじゃなく、嘘によってを真実を完全に見失う事。
あの夜現場で指揮を執った主悪の根源、尊大で大嘘つきの自己中男ディアトロフは、最終的に強制労働収容所に10年入れられるだけでした。 本来なら彼は死刑に値すると思われるが…。
このディアトロフ本当に最悪な男なのだが、上の命令に逆らえない共産主義国家の恐ろしさの象徴に見えました。他でも至るところで、その恐ろしさは、描かれていましたが、ロシアにもその悪しき習慣が残っているのでしょうね。誰もプ○チ○を止められないと言う構図。
印象に残ったのは、
·命がけで闘った所員達。その後も原因究明のため、苦しむ中、証言する姿は、痛ましい過ぎた。描写も凄くて、被爆し外見が変わって行く様は、恐ろしかった。
·6000万人を守る為、3名の命を奪う許可を下さい。と言うシーン。そして、死ぬと解ってて立候補する3人。
·被爆した夫と自分も被爆すると解ってて、バグした妻。夫は、亡くなり棺に入れられるが、その棺は溶接され、更に穴を掘ってコンクリートを流し込んでいた。後に産んだ子供も直ぐ死亡して、やはりおなじ様に埋葬された。
·トンネル堀りに駆り立てられた炭鉱夫達。保証はないの?
実際、91年にソ連政府が元作業員への支援を決定するまで、補償や恩典もなかったそうです。 更に2005年にはロシアでの法改正で、その手当も大幅に削減されたらしい。
等々、見所ばかり。チェルノブイリの事故は、知っていても全容は知らなかったので、とても勉強になりました。改めて原発の恐ろしさを思い知らされました。

※個人的には、被爆した犬の処理に当たっていた若者役でバリー·コーガンが出ていた。やっぱり存在感、いいんだよな。出演していたのは、知りませんでした。
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