山岡

新スタートレック シーズン6の山岡のネタバレレビュー・内容・結末

新スタートレック シーズン6(1991年製作のドラマ)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

長寿シリーズらしい各キャラクターの深掘りや、野心的な演出が多く見られた、まさに円熟期ともいうべき充実のシーズン。

特に全体を貫くテーマや主役が存在しないシーズンではあるが、強いて言えばピカードの活躍が目立っていたように思える。

EP7「少年指揮官ジャンリュックピカード」は子供の姿に成り果てたピカードが同じく子供化したガイナン、ローラレンとともにテロリストに立ち向かう姿をユーモラスに描いたなかなかの良作。『まんが宇宙大作戦』のS2-EP6「逆流する時間」でもクルーが子供になる展開は描かれているが、その際は割とSF寄りのストーリー展開だったのに対し、今回は『ホーム・アローン』シリーズのような痛快娯楽作に仕上がっている。(ちなみにシーズン5で颯爽と登場したロー・ラレン少尉のシーズン6出演はこの回のみ。非常に残念だ。)

EP11・12「戦闘種族・カーデシア人」では、ピカードがカーデシア人に嵌められ人権を無視した激しい拷問にかけられる。身体を張った壮絶な演技は必見だ。ちなみにこの回で初登場したジェリコ艦長がトロイに制服を着るよう命じるシーンがあり、以降、勤務時間中は青いユニフォームを着ることになる。

その他、EP18「謎の潜入者」ではピカードが『ダイ・ハード」のマクレーン刑事のような活躍でテロリストを撃退し、EP19「ギャラクシー・ロマンス」では職場恋愛で周りに少し迷惑をかける…

中でも個人的にベストエピソードだと思うのがEP15「運命の分かれ道」。ピカードが過去に戻り、やんちゃ坊主だった青年期の失敗を回避するという物語だが、その失敗を回避した後に待っていた未来が余りにも絶望的で…のんべんだらりと生きている自分に何かを突きつけてくるような、とにかく強烈な回だった。

シーズン6まで来ると、もう全てのキャラクターに愛着が湧いてしまってきている…この先彼等にどんなドラマが用意されているのだろうか…。
山岡

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