このレビューはネタバレを含みます
Wowow発の刑事ドラマは質が高いと思った。
喉を切り裂いて青い花を挿す猟奇殺人事件が起こる。クラスター16と名乗る犯人が、毎朝新聞に犯行予告をして警察を煽る。
木村文乃が如月塔子巡査部長を演じる。地上波ドラマではなかなか観ない、ドスの効いた声の女刑事。
現在、日本で最も説得力を持って猟奇殺人鬼役を演じられる女優、菊地凛子の起用で勝利は決まった。弟の身代わりにした鷹野に麻酔をかけた状態で、どうやって生きながら解剖するかを説明するときの陶酔感は、彼女にしか出せないだろう。
終盤、本物のサイコパス、相羽町子(菊池)の前で、共感を示して相手の懐に飛び込むために塔子がサイコパスを演じる。町子は本物のサイコパスに見えるのに、正義の警官たる塔子はサイコパスを演じているようにしか見えない。女優二人の演技対決だった。
最高だったのは上記の女サイコパスと女刑事の対決が見られる6話だ。5話までの展開に関しては疑問が残る。不動産屋社長、天野の妻で、夫が殺害されたとき巻き添えを食った天野真弓は、クラスター16が素早く病院に連れて行っていたら死ななかったのでは？天野の喉に花を挿す工作などをせずに病院に直行していれば、真弓は少なくとも助かったのではないかと思う。
