てつこてつ

今際の国のアリス シーズン2のてつこてつのレビュー・感想・評価

今際の国のアリス シーズン2(2022年製作のドラマ)
4.3
自分のように記憶力に自信が無い方には、シーズン1のせめて中盤からでもおさらいしておくことをお勧めしたい。それくらい主演の山﨑賢人・土屋太鳳以外のサブキャラたちが待望の続編且つ完結編では大活躍する。

シーズン1同様、ディストピアの世界観の再現が凄い。廃墟と化した渋谷の街並み、湾岸エリアのコンテナ置き場、そのほかロケ及びセット、VFXに膨大な製作費が掛けられていることがハッキリと伝わり、さすがNetflixが力を入れた大作だなあと感じさせられる。シーズン1と比較すると明らかにガンアクションと肉体がぶつかり合うボディバトルのシーンが増えてるな。ワイヤーアクションも随所に使われハリウッド映画顔負けのレベル。

漫画原作は未読だが、ストーリーも丁寧に描かれており、様々な登場キャラクターが発するセリフの中には心に染みるものも多々あった。

毎回のように行われる生と死を掛けたサバイバルゲームの内容もオリジナリティに溢れておりワクワクした。個人的には第3話辺りに登場する刑務所で行われるゲームが人間の巧みな心理を突いた内容で好み。

山﨑賢人も素晴らしいが、やはり土屋太鳳がいい。シーズン通して殆どのシーンでタンクトップ姿で登場するが、リアルに鍛え上げられた筋肉が美しい。普通、女優さんって肩幅広くなったり、二の腕に筋肉付くのは嫌がるものだが、しっかり役作りでヒロインになりきった根性が凄い。アクションシーンでは所々ボディダブルを使ってるだろうなと思われるシーンもあるが、それでも十分過ぎるほどに身体を張って熱演している。

ジャニーズ事務所を退所した山下智久を久々にテレビで見たが、まさかあんな風貌で登場するとは正直驚いた。で、実に役にもハマっていた。

サブキャラクターのメインキャスト陣はもちろん、各エピソードにしか登場しないゲームの参加者を演じた役者さんたちも実に味がある名演が光り、まだまだ自分が知らない良い役者さんって日本には多いんだなあと、「全裸監督」を鑑賞した際と同様の感銘も受けた。

少々気になる点と言えば、土屋太鳳演じるヒロインは普段から山登りをするなどアスレチックなキャラクターなので、ある程度理解できるが、元々はゲームばかりする貧弱キャラな山﨑賢人が演じる主人公アリスに、あれだけ何度も銃弾を浴びせられる危機に直面しても、全く銃弾が当たらないことくらいかな。

これだけ壮大なスケールの話のヲチをどう付けるのか最終エピソードはかなり注目した。好き嫌いは分かれるかもしれないが、理屈っぽい自分でも、納得できるもので良かった。この設定ならシーズン1からずっと鑑賞してモヤモヤとしていた部分も、そういう事ならまあ理解できるかなと言った感じで個人的には腑に落ちた。

エンディングもいいね。
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