ゴトウ

今際の国のアリス シーズン2のゴトウのネタバレレビュー・内容・結末

今際の国のアリス シーズン2(2022年製作のドラマ)
2.5

このレビューはネタバレを含みます

シーズン1のレビューを自分で見返してたらかなり酷評していたのですが、そんなに目くじら立てんでもええやんと思った。少なくともシーズン2は普通にしょうもないだけかなという感じでした。部分部分で面白いところはあるけれども、アリス・ウサギの主人公がどこまでも応援したくならないのと、いくらなんでも「げぇむ」の仕組みの説明とかを引っ張りすぎ、引っ張った上でミラの揺さぶり虚言パートがダラつきすぎて冷めました。結局諸々の謎は残したまま、テーブル貼りつきジョーカー編に続くということなのか?これ以上なんかされてもなという感じではありますが。

血が吹き出したり体が欠損したりの表現は激しくて、「地上波じゃできない/ネトフリならではのハードさ」(うさんくさい表現。地上波でもネトフリでもクソはクソだから)のわりにはなかなか死なない人物多数。ストーリー上役割を終えた人は即死亡するのもあって変な感じがする。終盤、折れてるみたいに演技してた右腕をいきなりスムーズにアグニの胸に置くヘイヤとか、誰か指摘しろよ。マンガでどうなってるのか知らんけど、ただでさえ基本一気見のネトフリドラマなうえ、昼間→夕暮れ→夜の時間経過がビジュアルでわかるようになってると違和感バリバリ。マンガ→実写ドラマのアダプテーションの無批判さはシーズン1から引き続きという感じですね。

序盤からして、銃火器による大量虐殺の中で主人公たちイケメン美女軍団にのみ流れ弾の一つも当たらない感じが命の軽さを際立たせてしまって萎える。「一瞬で失われうるからこそ命を大切に」みたいな、このドラマ全体で持って行きたそうな話ではなくてご都合主義っぽいという意味で。「げぇむ」の世界での肉体のダメージが、隕石爆発のダメージとしてある程度生還者の肉体に残っているようなのですが(弾創だったら騒ぎになるわな)、数発撃ち込まれたクイナは病院で歩けてるけど「げぇむ」で切断を余儀なくされたヘイヤの足は戻ってないし、永住を選択した人間の肉体はどうなるのか、「げぇむ」脱落者の肉体は消えてるのか死体は残ってるのかとかが全く説明されないせいで、なんやかんやアンが一命取り留めそうなのもすごくモヤモヤする。撃たれてる割にそこまで重傷には見えなかったアグニは病院では意識不明というのもよくわからないし。逆説的に命の尊さの話を描く作劇は徹底的にドライだったりチープだったりして初めて成立するのであって、要所要所でウエットな(あるいはご都合的な?)例外やブレが出ると冷めるのよ。

人と人の信頼を揺さぶったり、諦めない心の強さを試したりするのが「げぇむ」なのかと思ったら、いきなり母船から弾薬補給して自分だけ重火器で大量殺戮する敵が出てくるとか、万華鏡写輪眼みたいな幻術使いが出てきたりとか、まともに理解する気もなくなってしまう。♠︎のKに関してはエントリーすらしてない人のことを問答無用で殺し回ってるわけで、理不尽なルールを強いてくる「げぇむ」の体すら守ってない。仲里依紗はよくやりきったなと思うけど、ミラはコスプレかディズニーランドのキャストのオーバーアクトにしか見えないし、人が使い得ない能力で幻術攻撃してくるのは不誠実。あの場面で「全部が幻かもしれない」みたいな揺さぶりを入れてくるのも悪手では?真剣に観る気がなくなるわ。

いくらなんでもマンガすぎるセリフ回しや振る舞いが特に多いニラギとチシヤ、チシヤの方は村上虹郎贔屓もあってか観ていられた一方、ニラギはキツすぎる。「狂気」の演出も返り血か高笑いか肌の露出しかない(山Pまで行くともう拍手だが)のかよと言いたくなる。直前まで激しい銃撃を受けて生き残りに絶望しかけてたのに、コンビニ店員ごっこでイチャつき始めるウサギとアリスにも腹立つ。コイツらのイチャつきシーンだけなんかノリが古くないか?タイミングだけでなくコントでしか見ないようなベタさで、二重に緊張感を損ねている。

なんか結局酷評してしまったのだけど、これくらい適当に見ていられるドラマがあってもいいですよね。せっかく毎週見ないと!みたいな縛りもないわけだし。全裸の山Pの横で「俺かよぉ…」とすぐ死んでしまう志磨遼平にはちょっと笑いました。
ゴトウ

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