パドゥ

沈まぬ太陽 第二部のパドゥのネタバレレビュー・内容・結末

沈まぬ太陽 第二部(2016年製作のドラマ)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

ふと気になって、JALの不祥事をwikiでだけど調べたら、ここ数年で6件の不祥事が出てきた。
うち3件がパイロットの飲酒。
全然体質変わってないんじゃないのかと思う。
しかもこれ、ほとんどマスコミが報じてないような気がする。スポンサーの不都合は報じないマスコミ、忖度なしでいい加減きちんと仕事してほしい。
ディズニーランドの食品偽装もほぼ報じられてなかったし。

≪9~14話≫
墜落後の遺族対応と新体制での奮闘

社長が弔問先で遺族に花束を投げつけられ、せっせと社長のスーツを拭く社員。
遺族に、人の家の畳拭かんと、先に社長のズボン拭くんがあんたとこの会社のやり方か!、と罵られる。
ほんまにそれ!そーゆーことやねん。
どこ見て社員が仕事してるかよく分かる印象的なシーンだった。
遺族係は定年前か、窓際族ばかりにおしつけて、エリートはノータッチ。
当事者意識が低く、NHKが、集金業務を外部に業務委託で丸投げしてるのにも通ずるなぁと思った。社員がしろよ、ていつも思う。

もちろん、事故の責任を痛感して苦しんでいる社員もいるけど、一部の人間だけで、上層部は自分のポスト確保のために躍起になっている。

そんな中、関西の繊維会社の社長が、首相の肝いりで新しい会長に就任するが、既存利権を守りたい役職社員たちがあの手この手で根回しする。
会長のことも関西のイトヘン、と小馬鹿にして、組合の資金で甘い汁を吸ってるやつらは会長の任期満了までのらりくらりと逃げ切るつもりでいる。
経費で飲食は当たり前、豪邸やクルーズ船まで所有している。
事故後間もないのに、全く自覚がない社員たちに闇の深さを感じるばかり。

≪15~20話≫
国見会長の改革が甘い汁を吸ってる社員にまで及んでくる。
この腐った社員を陣内孝則、高嶋政伸、板尾創路らが熱演。
高嶋政伸はいつからこんなにイヤなやつが似合うようになったのか(笑)

改革を進める国見会長を潰すために、大臣を接待漬けにしてしまう。
政界が絡んで来るとすごくややこしいことになる。
昔、田中眞紀子が伏魔殿と表現してたけど、あれは本当なんだろうなぁ。

国見会長も負けじと前総理に根回しするが、ピュアすぎるというか、国民航空の上層部が何枚も上手。
繊維業界の会長さんからも、国民航空は末期癌と同じ、長居は無用、と言われてしまう。
国見会長は遺族の補償も終わってないのに報酬は受け取れない、と無償で、尽力するほど立派な人で、正直、腐った会社には勿体なく、気の毒に思えて仕方なかった。

関連会社社長(陣内孝則)が、ニューヨークのホテルを購入したときに、不正で9億円を懐にいれたことが発覚し、想像以上の腐敗ぶりに頭を抱える国見会長。
常務になった行天は、甘い汁を吸うようなことはしていないが、次期社長のポストを目論み、路線拡大の便宜を図ってもらうために、運輸省の役員に愛人と密会用のマンションまで用意して抱え込む。

利権の絡む社員たちは、国見会長を貶める記事をマスコミに書くよう根回ししたり、まさに最大の敵は身内にあり。
国見会長の、どれひとつ取ってもこの会社には責任とモラルがない、そこを正さなければ再建への道はない、という台詞、こんな熱い志のある人、そうそういない。
首相に梯子を外されてるのを分かっているのに、出来ることをやろうとする国見会長。
それでも、改革は司直の手を借りないと無理と判断し、辞表を総理お付きの龍崎(橋爪功)に提出するも受理されず、国見を抜擢した総理の面目を守るために、国見を更迭する、という記事を朝刊1面に出される仕打ちを受ける。

会長室も解散となり、恩地は再びナイロビへ赴任させられる。
行天たちは、地検に内部告発されたことにより起訴される。
結局、会社の改革は出来ないままだけど、最後の恩地から行天へ宛てた手紙と、ナイロビの自然を見ていると気持ちが洗われるようだった。
パドゥ

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