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オックスフォードミステリー ルイス警部 シーズン1のkitoのレビュー・感想・評価

4.0
終了間近のGYAO!が全シリーズを配信中なので連日”モース祭り”をしている。各話約100分と映画並みの長さと入り組んだプロットで流し見はできずシンドイものの、1話観終える毎に充実感がある。

オリジナルが「主任警部モース」、その若かりし頃を描いた「刑事モース」、そしてまさかのオリジナルで良き相棒だったルイスを主役にした本作の3シリーズがある。

英国ではホームズと並ぶ人気があるというモース・シリーズ。本作ではホームズでいうところのワトソンが主役に抜擢というなかなかのビックリ登板。しかも、これがオリジナルと同じ33話つくられるという大人気っぷり。

オリジナルではまだ巡査だったころのルイスは、天才肌で気難しく尊大な性格のモースにパワハラ気味な扱いを受け、下働きやパブでの支払いを押し付けられていた。しかし、モースはルイスを信頼しており、能力も高く買っていたのだろう、最終回の死に際、最後の言葉がルイスへの感謝だったりして、観る側も庶民的なルイスに好感が持てた。

本作で警部に昇進したルイスの捜査方法は、ひらめき型のモースとは異なり実直そのもので、オリジナルに描かれていた下積が生かされている感じ。ただ、現実世界ではともかくフィクションではそれだけだと観ている側は物足りなく、そこにケンブリッジ大卒のインテリ、ハサウェイ刑事が部下として新たな相棒関係になる、というもの。ちなみに若かりし頃の「刑事モース」では父親のような良き理解者である上司が相棒役となっていて、諸々、上手く練られたコンセプトだなあと思う。

本シリーズではハサウェイ刑事の捜査場面も多く描かれていて、彼の博学なセリフ、ルイスとの軽妙なやり取りも大きな魅力になっている。


余談ながらーー
モースがシリーズ化したのは当然オリジナルの人気が原動力になっている。ただ、制作年代が90年代とやや古く、アナログ放送向けなのでアスペクト比が4 : 3で映像画質もあまりキレイではない。

最初のスピンオフ「警部ルイス」はすでにデジタル放送時代でアスペクト比が横長になり、観やすくなった。

2010年代、二番目のスピンオフ「刑事モース」ではもう完全にハイビジョン対応となり、内容的にもより現代風で観やすくなっている。私もこのシリーズから入り、魅せられることになったが、オリジナルと本作はマニアでないといささかとっつきにくいだろうと想像できる。

まあ、趣味の世界なので、各々が好き好きに観れば良いのだけど、なんだかつらつら考えてみた。

■ シーズン2(2023.03.26)
■ シーズン3(2023.03.28)
■ シーズン4(2023.03.29)
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■ シーズン5(2023.12.18)
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