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ロキ シーズン1のオジサンのレビュー・感想・評価

ロキ シーズン1(2021年製作のドラマ)
5.0
悪戯の神ロキが好きならより楽しめる、自分の運命は自分で切り開くというアメリカらしい自由だとか、独立心だとかを描いた作品なのかなという印象です。

ロキの生き様というか、ロキは人を信じれるか人に信じられるかということについて徒然と書き連ねてもいいのですが、このドラマの主人公ロキを見てふと思い浮かんだことがあって。

それはロキってずる賢くて、どこかで捻くれてて、憎めない。そんな悪人、というかマイティ・ソーとかアベンジャーズ第一作目のロキは劇中でも触れられましたがもう間違いなく文句無しの大悪党です。

そのロキにも信用する愛する母親とかいたりして、そういう彼の側面から宿敵である筈の兄のソーとまた関わり合い、許される。

最初に断っておきますが、だから私はロキというキャラクターはMCUで大好きなキャラクターの一人なのです。

そのロキがこのドラマでその積み重ねを失った別人になってないか心配でしたが、案外そうでもなく。
そうだからこそ、ふと思い浮かんだのはロキってダブルスタンダードというやつで、いわゆるダブスタ野郎なのかなということです。

ダブルスタンダードとは、要するに同じ間違いを犯してもあの人は許すけどこの人は許さないみたいな矛盾というか、対象となる相手によって判断価値が違うことですが、これ自体は別に悪いことではないと断じれるわけなのですが、むしろ普通です。

つまり信頼できる人と信頼できない人がいたとして、信頼できる人は許せるけどというのは当たり前のことで、でもこれは個人レベルの問題であるならばの話しでもあります。

もっとその問題が大きくなったり、判断価値を下す人間が余程の力を持っていたりして、その問題が個人間だけで終わらない問題になった場合はダブルスタンダードというやつは問題だと思います。

つまり社会主義だとかは正にダブルスタンダードの良い見本ですよね。
社会主義は資本主義における貧富の差をなくそうと、適材適所で能力に応じた仕事を割り振り、能力に応じた報酬を国が与えるというような思想のことですが、それなら国の上層部には自分の味方を配備しておこうという考えも自然と生まれ、身内だけで利益と政治を回す独裁国家の誕生となります。

資本主義とは簡単にいうと富を持つ者が富を持たない者を雇って、価値を持つ商品を生産する日本みたいな国は資本主義といえますね。
社会主義も資本主義も経済構造だとか体制のことを指しています。

話しは戻りますが社会主義国家が独裁政権ばかりなのはそういう背景が簡単な説明ですが存在していて、それでも社会主義という思想そのものは何も悪くはなく、むしろ一理はある主義なのです。

私が何が言いたいのかというとダブルスタンダードってやつは、権力や単純な力を所持する者がして良いことではないということです。

その観点でいうとロキは歴とした立派なダブスタ野郎ですね。
神であり、比類する者があまり存在しないほどの魔力を持ち、卓越した頭脳までも持つダブルスタンダードなアスガルド人。
そのダブスタ糞野郎のロキが、このドラマでは大きく成長を遂げて自分の運命を自分で選択していきます。

それが面白い、というわけで星は5つです。
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