故ラチェットスタンク

ロキ シーズン1の故ラチェットスタンクのネタバレレビュー・内容・結末

ロキ シーズン1(2021年製作のドラマ)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

シーズン2は何年後か知らんが少なくとも評価は決めかねるかなー

後の作品と綺麗に絡まって、シーズン2で纏まった上で真に評価が決まるタイプの「エヴァンゲリオン:新劇場版Q」的な立ち位置の作品だったので評価し難い…

受け入れてる人、そうでない人に対してどこまで魅力的にマルチバースを紹介できるかが課題だと思いますが、ファイギ氏がしっかり考えてたのって多分「エンドゲーム」までなんだろうなーと
しかもこの感じだと結構最近まで試行錯誤してた感じがある。

ビジュアルやセットなどの美術面の面白さは期待通り
TVA、虚無の世界、未来の様々な惑星などなど
想像力を刺激されるデザインが多くてその辺は好み。
宇宙のスペクタクルの捉え方も上手
照明の使い方も鮮やか
あとフェイズ4のMCU作品だと1番音楽が印象に残りました。

ストーリーが展開する過程で世界観も広がっていくので「キャラを描く」と「世界観を広げる」っていう部分が綺麗に重なってる作品に感じました。
「誰もが変われる」をテーマにロキの運命決定論に立ち向かっていくストーリーは凄く良いと思うしトム・ヒドルストンの演技は素晴らしい。
お話よりはキャラに時間を割いて、真摯に向き合おうとしている姿勢は感心しますし、ドラマだからこそ出来たことです。

個人的にはEP5がベストエピソードかな。単純思考だけどロキが沢山出てくるのでいがみ合いを観ているのは悪くなかった。

ただまあ"繋ぎ"の作品なので正直あまりお話が詰まってないです。
役者陣の演技は良いですが画の撮り方が凡庸の極み。
サスペンスあるストーリーがガンガン展開されるわけでもなく少ないストーリーを淡々と映しすぎてる感じがする。

アクションは本当に酷い。
ドラマは基本的に予算とかそんなにかけれないからインパクトあるアクションが撮れないのか知らないんだけど、編集とカット割りが取り敢えずナンセンスでした。
ショボいし見辛い。

マルチバースを作りだすこととなった着地点については…まあこれからです。
「吉と出るか凶と出るか」でそこで真の評価が決まるかな。

好きな作品ではあります。