MASH

ホークアイのMASHのネタバレレビュー・内容・結末

ホークアイ(2021年製作のドラマ)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

まさか一年で4つもドラマシリーズをやるとは。ファンじゃないと追ってけないよとか思いつつ、ファンなのでしっかりと追いかけていくわけだが。前置きはさておき、ぶっちゃけ『ホークアイ』の出来はどうだったか。個人的にはやっぱりまだチグハグな部分も多いなといった印象だが、それでもMCUのドラマシリーズの中でも1位2位を争うくらい楽しめた作品だったと言える。

正直1話と2話は最悪に近かった。完全に新キャラであるケイト・ビショップが主人公で、物語上仕方ないとしてもホークアイはやる気ないし、ストーリーもボヤッとしたミステリーでそそられない。そして何より弓を使ったアクションがほぼない。ここで渋る意味は?

だがそこからチグハグだったものが噛み合い始め、面白さが加速していく。特に第3話のカーアクションとさまざまなトリックショットを合わせたアクション。これが観たかったんだというのの詰め合わせ。また、ケイトとホークアイの掛け合いもグッと面白くなり、ストーリーも新キャラ・エコーやエレーナの登場により、ホークアイの過去の過ちにフォーカスを当てていく。やっと「ホークアイのドラマ」という感じになっていくのだ。

このドラマの良さはやはりキャラの良さにある。というより役者陣の上手さかもしれない。ジェレミー・レナーは既に完成されたホークアイというキャラに、後悔や悲しみを背負ったヒーローという新たな側面を引き出している。ヘンリー・スタインフェルド、フローレンス・ビューはこの時点で自分のキャラに求めらるものを理解し、それらを一瞬でものにしている。そして、ヴィンセント・ドノフリオ。『デアデビル』の時に比べるとしょぼかったが、それでもキングピンにしか見えない。全員に演じている感がなく、そのキャラがいるように見えるのだ。

そしてゴールが「ホークアイが事件を解決してクリスマスまでに家族の元に帰る」とはっきりしているのも、このドラマが観やすくなっている点だろう。今までドラマシリーズでは最後が結局別の作品への繋ぎになっていたが、今回はホークアイのローニンとしての過去というメインストーリーに決着をつけている。余計な情報はあまり入れずに、ちゃんと『ホークアイ』というドラマを終わらせたのは好印象。

ただ、やっぱり道中でストーリーが無駄に多い。中途半端なミステリーはキャラ同士の面白い掛け合いをストップさせてしまっている。エコーやキングピンの登場は嬉しいが、余計な寄り道をさらに増やしている。エコーは紹介程度でもよかったのでは。そしてなぜかアクションの画面がやたら暗い。なぜ?

まぁMCUの問題点である他の作品を見てないと理解できないという点も気になるが、ある程度観ている人からしたら非常に観やすい作品となっている。一つのミニシリーズとして完成度はそこそこかもしれない。しかし、MCUの強みであるキャラの良さを活かしたテンポ感は、まさにこのシリーズに求められていたものだ。一つのシリーズとしてしっかり面白いし、その上でこれからも楽しみになる。そんなちょっぴり早いクリスマスプレゼントだった。
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