ソウキチ

ユーフォリア/EUPHORIA シーズン2のソウキチのレビュー・感想・評価

5.0
ラブロマンスにヴァイオレンス、ファミリードラマにコメディ、はてはホラーまで…さながら躁と鬱を反復するラピッドサイクラーのごとく各話毎の演出がもはや別ジャンルといっていいほどに極端で、オムニバスドラマのような風体のシーズン2。基本的にはダウナーな青春ドラマだった前シーズンよりはるかにエッジが立った怪作だった。

とりわけお気に入りのエピソードが、突発的なバイオレンス描写に慄く1話。キャルの過去に思いがけない切なさを感じ、家庭崩壊ものとしてもヒリつくような着地をみせる3話。怒鳴りっぱなし走りっぱなしで息つく暇もないハードさとユーモアが共存する5話(ゼンデイヤの依存症患者の演技が極まっててヤバい)。劇中劇によるメタ演出で日陰者の逆襲を痛快に描きながら、芸術表現の孕む暴力性も同時に描き切る7話(まさかの食人族!)。

とにかく各エピソードのテイストに良い意味で一貫性がなく、毎話めちゃくちゃ刺激的で飽きがこない。相当なひねくれ者のサム・レヴィンソン、シーズン3ではどんな球を投げてくるのか今から楽しみです。
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