この変なドラマの魅力は何なんだろう。
給食って、食べてた当時は当たり前すぎて、どっちかというと、そんなにおいしくないと思ってたんだけど、大人になって懐かしく振り返ると、メニューはバラエティー豊かだし、品数もあるし、ヘルシーだし、掛け値なしに素晴らしい食育だったなと思える。日々持ち回りで給食当番をやって、配膳して片付けて、それを9年間やってたことが信じられない気さえする。
でもそれは時間がたったから言えることであって。
給食礼賛という、当事者があまり持ち得ない感覚を主人公がなぜか持っている。その齟齬がコメディーなんだけど、ただ面白いだけじゃなくて、これって、現代の大人のノスタルジックな夢みたいな世界観でもある。なんでそんな夢を見るのかっていうと、その大人は今現在、現実では不幸せなんじゃないか……っていう、闇がそこはかとなく感じられる。
だからくっだらないコメディーなんだけど、なんとなくディストピアっぽくて、ちょっとしたことでそれが顕現しそうな、夢から覚めそうな気配がある。
その境界を行ったり来たりして、最終的に夢の世界に落ち着くっていう、なんかそういうのが癖になるっていうか。
ちょっと自分でも何言ってるか分からない。でも面白かった。
森田順平さんが最終回出演されてびっくりした。直江喜一さんと共演するなんてね。やっぱり存在感あったなあ。
