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エミリー、パリへ行く シーズン1のKSのレビュー・感想・評価

3.5
アメリカ映画とフランス映画の線引きの違い、皮肉の使い方や、セックスに対する考え方などを、
映画文法の違いとして、ひとりのアメリカで育った女性の視点から浮き彫りにする。

第4話
映画『巴里のアメリカ人』がセリフとして使われている。

第7話
ハッピーエンディングとトラジックエンディングの対比はフランス映画とアメリカ映画と主語を大きくしているからステレオタイプ的な描き方だけど、主語をこの会話をしている個人に変換すると登場人物たちのパーソナリティというか行動原理に当てはまるようになっていて、本作をより楽しめる仕組みになっている。

まとめ

本作で強調されるフランスはアメリカとはセックスに対する捉え方や文化が違うというフレーズ。言葉の端々に出てくる若い=美しいという概念に、えっ、一緒じゃね?と疑問しか浮かばない。言葉で装飾しそれなりに見えるように誤魔化しているようにしか見えない。

でも、仕事に対するは描写(特に休憩や解雇など労働者の権利について)やプライベートという概念などはアメリカ映画で語られるそれとは違いを感じたけど、ラ・ジリ監督作『レ・ミゼラブル』などを観ると、それはある程度の持っている人たちの話なのだろうとも思うし、そうした描写が少し含まれている。

これまで何度も語られてきたステレオタイプなリアリスティックなフランス人とドリーマーなアメリカ人というステレオタイプをワザと強調する事で、そうした言説を反転事でより登場人物個人のパーソナリティを強調させる事に役立っているなと思った。
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