おかちゃん

チロルの挽歌のおかちゃんのネタバレレビュー・内容・結末

チロルの挽歌(1992年製作のドラマ)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

某友人から再放送の知らせをうけ、慌ててDVD録画し、鑑賞した。
本作は初見。

'92年作品というと、私もサラリーマン生活に入り、当時はTVドラマ鑑賞する余裕は到底なかった。また、健さんもヤクザ映画から転身し日常の役柄に挑戦し「大男優・高倉健」の地位を築いた頃だと思う。高倉健Fanを自負しながら、情けない😵💦この頃の作品を余り観てない。ただ、本来の健さんの表現法は、表情圧し殺して感情を表現するのだが、この作品では、よく喋ろうとしている(そういう役処だが…)
各SCENEの掴み所は、エピソードに書いたが、主題は、概ね2つになる。

山田太一脚本はセリフ豊富だが…。
①=地方過疎化と自然乱開発。このテーマは、かたや盟友・倉本聰が民放で「北の国から」を80年代に製作初めているが、あちらは完全にDropOutした役処(田中邦衛)。こちらは、1企業人或いは組織の一員。あの頃、バブル景気ノリでリゾート開発で各地湧いた。しかし結局頓挫した酷い話が散乱していた。(イヤ、未だしてる所もある。)
金子信雄の「企業も人だよ」「人間は何で気が変わるか解らない」が刺さる。今の経営に携わる奴に言ってやりたい❗️💢😠💢
この後、杉浦直樹の「人間はたまには失敗してもいいでしょ」
高倉の「俺だって変わろうとしいて、いつか女房を取り返す」
岡田秀次の「ホントの喧嘩を見せたる」のセリフも良かった。ドラマは前編➡️後編へ東映任侠映画の筋立てと急にシンクロするかのように、2つ目のテーマに繋げていく。音楽の重ね具合は、日向敏文の技もあるが、私には「冬の華(倉本脚本)」を思い起こさせた。

②=昭和男vs主張する女性で時代変化を表現する。意地を晴れずに変化を迫られる男。その間を介する優柔不断そうだが、実は昭和を知る男(杉浦直樹)。
その点、女性の在り方は変幻自在。此処での麗子さんは、昭和の気のつく女を演じながら実は芯強く主張する女性を演じる。

振り返れば、現実の職場もこんな感じだった。高倉健が反対派・岡田秀次に日参して通う光景は当時「営業マン心得」と躾られた行動そのもの🤭。それが高度経済成長を支え、下端社員の我々は昭和を感じながら現実問題に対処する…。しかし、時代経ると共に「24時間働きます」では続けられなくなり、いつの間にか制度疲労を起こし始めている。女性達は、海外経験豊富で、中にはバイリン・ギャルもいたり、理系女や肉食系女子…。
やっぱり、男は女性には敵いませんわ🤣

ただ今の社会👉️毎日大組織の不祥事が日聴こえてくる。👎️

終盤の労働者隊列と河原崎市長曰く「私に何ができるのだ❓️」は、経済成長を遂げて変化していく我々に投げ掛けられた言葉なのだろう。