ゆうぴょん

アリー my Love シーズン5のゆうぴょんのネタバレレビュー・内容・結末

アリー my Love シーズン5(2001年製作のドラマ)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

ずっとサブスクで観られなかったんだけど、やっと発見して全シーズン完走。
アリーマイラブは、子どものころ親の横で観ていた思い出のドラマで、子どもごころながらに面白かった記憶があったけれど、年を経たいま観てみると、ほんとに面白かった。
20代から30代を駆け抜けたアリーの青春と成熟、そこにいまなお日本では取りざたされている社会的なテーマもあわさって、ぶっ飛んでる脚本とシリアスでしんみりしたところのバランスが最高。
自分がどうしてこのドラマに惹かれるかというと、人間は結局独りであるし、でもそれはぜんぜん寂しいことや辛いことばかりじゃなくて、独りでも幸せになれるし、独りでも素敵な人生を歩めるということを、教えてくれるからだと思う。そりゃ恋人なり連れ合いなり子どもなり居た方がいい。友だちも、知り合いもいるに限る。でも、結局それらをどう受け入れるかも、自分次第なんだと思う。
いつも受け入れてもらえるか、選んでもらえるか、そのためにどんな努力をしないといけないか、アリーはほんとうに神経をすり減らしている。妄想や幻覚、白昼夢におちいるくらい。でも、そこで抑えつけた自分が暴走して、アリーはいつも失敗する。選んで欲しい、でも選ばれるために自分を抑え周りに阿ることの無味乾燥さも知っている。アリーはそんな、ものすごい葛藤を見せてくれる。
傷ついて、落ち込んで、ズタズタになりながらも、美しい街中を独りそぞろ歩きをすると、誰もが自分の人生の主人公になれる。そうして回復して、また戦いに身を投じる。
独りで戦わないといけない、でもそれはぜんぜん不幸な事じゃない。アリーのどうしようもない日常が、その素晴らしさを教えてくれているようで、ほんとうに大好きなドラマのひとつ。
シーズンかわるごとにキャストがいつの間にか居なくなってたりとか、海外ドラマの身勝手なあるあるに振り回されたり、脚本が破綻してるところもあるけど、人生の中でこのドラマは、ずっと大切にしていきたいと思っている。
惜しむらくは、これがもう終わってしまったこと。最近のドラマは、だいたいが20代前半の煌めきを描いていたり、働き盛りのドロドロの復讐劇とかで、独りの素晴らしさを軽視している気がして、あまり観る気がしないから。こういう大人な恋愛ドラマ、もっと増えてくれないかな。
ゆうぴょん

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