連続TVドラマ『女王の教室』のスペシャル・ドラマ。心優しき人間性ながらも他人に舐められる程お人好しだった教師が心を鬼に染め、教育の悪魔に魂を売るまでの前日譚。純白の服を着ていた前作から、鬼門に踏み入れたことで灰色の服を纏っている。
本作の阿久津先生は、前作で大切な人を失った経験を糧とし、命の大切さを説いている。大切な人が死ぬまでに脳裏で浮かんだであろう気持ちを想像して言葉にする姿は鬼気迫る。また、自分の人生の意思決定は自分が責任を持って意思決定を行うものであり、近年でよく言われる「他人の時間に生きるのではなく、自分の時間に生きろ」に通ずるものがある。
エピソード1と2の経験と本から知識を得て、本編の教室へ登壇する際に並々ならぬ覚悟を感じる反面、不安も感じる。構築した社会教育プログラムの成功を祈る胸中、そして鏡に映った自分に喝を入れ、本編の生徒たちに見せることを許されなかった孤独な本音を感じる。
⭐評価
脚本・ストーリー：⭐⭐⭐⭐⭐
演出・映像 ：⭐⭐⭐⭐⭐
登場人物・演技 ：⭐⭐⭐⭐⭐
設定・世界観 ：⭐⭐⭐⭐
星の総数 ：計１９個
