★ 白から黒に変わる中で
胸中の残響 自分の叫び声
『女王の教室』の前日譚…の後編。
つまり『エピソード1』は下地作りに過ぎず、真骨頂は本作。再鑑賞なのにグイグイと惹き込まれました。流石です。
特に圧巻なのは英二役の森田直幸さん。
陰からクラスを支配するボスを見事なまでに熱演。主人公の覚悟不足を見透かした眼差しは“ガチ”でいじめっ子なんじゃないかと思うほど。自らをエリートと言い聞かせている様子が板についていました(余談ですが、彼は電通に就職したとか)。
また、イジメの描写もエグいほうです。
勿論、ドラマとしての見栄えを考えているので、物質的な被害を伴うタイプばかりですけどね。教科書がボロボロになったり、靴が隠されたり、背後から蹴られたり。演出の一環だと分かっていても気持ちが良いものではありません。愚息はかなり引いていました。
ただ、現実で嫌なのは証拠を残さないタイプ。
無視とか陰口とかバイキン扱いとか。これらはイジメとして立証しづらいので、被害者が孤立しやすいのです。しかも、加害者側は気軽に行えるのがポイント。じわじわと精神が病んでいく卑怯極まりない手段だと思います。
だから、イジメは犯罪として立件するべきでしょう。犯罪の前では未成年とか関係ないわけで。教師の負担を減らすためにも積極的に司法が関与すれば良いのです。そのくらいしないと抑止力が働きません。
でも、本当に悪いのは親なんですけどね。
子供は親の鏡とはよく言ったもので。
子供と関わった後に親御さんと話すと膝を叩くことが多いです。個人的な経験で言えば「トンビが鷹を生む」は見たことはありません。やはり、蛙の子は蛙なのです。
って話が大きく逸れました。
まあ、そんなわけで。
本編を補完する立ち位置にある作品。
本編は子供たちの成長が主軸でしたが、スペシャル版は阿久津真矢の成長譚。如何にして鬼教師となったのか…という件に翻弄されることなく、エピローグ的な立ち位置で捉えたほうが前向きだと思います。