監督の新作短編『魚座どうし』鑑賞後、過去作が気になり、ネットで探しだして、視聴。
偶然、学生時代の友人・カナコと再会したナツキ。
恋人のヒロキと同棲するナツキだったが、カナコとの再会が思わぬ事態を引き起こすことに...。
すさまじい傑作。
正直、監督の作品で、一番、好きでした...。
高校時代は、あまり親しくなかった女友達との再会で、思わぬ友情が芽生える序盤、しかし、そこから、想像もつかない意外な展開。
わずか30分にも満たないドラマというのに、ここまで、心が掻き乱されるとは思いませんでした...。
それにしても、やはり主演二人が素晴らしすぎる。
どハマリした『架空OL日記』で、独特な存在感を放っていた三浦透子さんと、オムニバス映画『蒲田前奏曲』で一際輝いていた古川琴音さん。
個人的に、とてつもなく嬉しいキャスティングでもあったのですが、この二人の演技は、間違いなく他の役者には真似できない...。
ただでさえ、それだけで魅力的なのに、そんな二人の関係性が軸になっていくわけですから、もう、中盤以降の会話シーンは尊さが極まって、本当に心地よかったです...。
「気持ち悪い」から「気持ち良い」へとセリフが変わる場面転換の秀逸さとか、演出面も技巧的すぎて、ただ、ただ、圧倒されてしまいましたし...。
男女3人の不思議な関係性を描き、終始、目が離せないだけでなく、「人を愛すること」の本質を、とてつもない表現でえぐりとった、えげつない大傑作でした。