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ジェムストーン家の敬虔なる私生活 シーズン1のCinemanのレビュー・感想・評価

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HBOなので、もっとメガチャーチの闇に切り込む社会性高いサスペンスかと思ってたら、そっち方向じゃない方のHBOだった笑
そっち方向なHBOっていうと、ジュードロウのnew popeとかね。ああいう宗教観にもある程度切り込んでく、薄板にガラス差し込むみたいな(?)系統かと思ったわけです。

あくまでメガチャーチの設定を借りた、アメリカン・ファミリー・コメディーだった。ダニーだもんな。要は良くも悪くもvice principalsと同じ肩透かし感ですよ。
しかし、それはそれでまあいっか!って思わせるのがさすがですな👍
軽いおかげでサクサクいけます。

お家騒動ものでいうと、サクセッションのなんやら互換と言われそうだけど..
blue bloodとかアメリカンファミリーの家父長制の話は、実際に西部劇だしヨーロッパ的なファミリーの名残だし...という感じかしら。教会家族というのは、家父長制ファミリーの...アメリカン・ファミリーの忘れられてた原型の一つだったよね。
現在でもアメリカ社会における家族付き合いの重要性はひしひし受け継がれていってるし。

意外に良かったのが、ゲェムストーン娘のストーリーライン。モテない女の子の捻れた性的葛藤とか自尊心の話が、見世物的(特に性的に)に開陳されるのではなく、人間的葛藤として描かれてる意外な丁寧さがよかった。ゲェムストーンの中で1番可哀想な子かもしれない..

シーズン1は海外ドラマに珍しく、クリフハンガーなしできれいに終わった感じ。
みんなどこかだめなんだけど、最終話では何かしらそのダメさが愛おしくなっているという、まさに「ことの終わりは時始めに勝る」でした。
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