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おっさんずラブ-in the sky-のキャトラーズのレビュー・感想・評価

おっさんずラブ-in the sky-(2019年製作のドラマ)
4.7
放送当時は二番煎じ感がダダ漏れで
見るのを辞めてしまったが
気になったので再度視聴。
結果、天空不動産編よりもこっちの方が好きになった。

というか制作サイドは
元々この話をやりたかったんじゃないか?
最初のおっさんずラブでは描けなかった側面であり、
さらに視聴者も前作を見たことによって
同性愛についてや作品の空気感を
多少なり理解した後だからこそ
入り込んでいける物語だった。

今作で一番良いと思った点は
主人公=春田創一の心境の変化。
特に今作では
自分の同性への恋愛感情をハッキリと自覚し、
自分から相手に正面から気持ちをぶつける。
前作では余りにも受動的過ぎて
牧が好きだと言い求めてくるから
自分も牧を好きになる、
男性というより牧が好き、
という側面が拭えないために
個人的に作中でそこに追及しないのが
少しだけ不審に感じていた。
だが今作は、いわゆるノンケである春田が
同性愛に目覚める部分が今作はかなり明確で
さらに自発的であるのがすごく良い。

だからといってその恋が
簡単に相手に受け取ってもらえるわけでもなく
主要男性キャラ全員が同性愛者であるが
全員片思いで上手くいかないという点が
今作をより良くしていると感じる。
つまり同性愛者であれ
同性愛者同士のバイアスで
カップルが成立しやすくなるようなことはなく
異性愛者と変わらず
恋愛とは一筋縄では行かないことを
しっかりと提示してくれていることこそ
今作が同性愛をテーマにしている意味
なのだと思った。

ただ前作に比べてマイナスだったのが
最終回のワクワク感は前作の方が
何倍もあったことだ。
今作の最終回は本当にこれで纏まるのか?と心配が強かった。
また、同僚のCAたちが
めちゃくちゃイジメしてそうで嫌だった。
MEGUMIのキャラとか
現実なら絶対に春田が辞めるまでイジメ続け
周りのCAも追撃してくるだろ。キツい。


黒澤武蔵のために作られた作品だったのかもしれない。
それもあってラストは泣きそうになった。
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