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ザ・モーニングショー シーズン1のbibooのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

”てめえが言うな”のオンパレード。保身合戦。嘘に嘘を重ね、保身が暴走すると取り返しがつかなくなることを派手に知らせてくれる。真実が暴かれて悪が裁かれるどころか自体はどんどん悪くなり、最後最も最悪な展開になる。10話のエンディングの切れ味にはしびれた。

80%くらい誰が誰をクビにしようとか保身で右往左往する話がほとんどで、小さな山場がちょこちょこくるような仕掛けなので展開が間伸びしやすくて見進めるのに時間かかった。

日本の芸能界でおんなじ展開になったら本当それこそ崩壊すると思う。黙認の文化がベースにある以上、何にも知らない真っ白な人なんてほとんどいないのだから。芸能界に限らずだけど、「組織の風土はトップで決まる」というセリフが本当に身に染みて、良くも悪くも人の言動が暴かれやすくなった今の職場選びって心底難しいなと思った。

肉体関係になるときのお互いの気持ちは思ってる以上にシンクロすることはないのかもとも思った。「自然な成り行きだった」と信じて疑わない男がどれだけいるか。その自惚に心身傷つけられてきた人がどれだけいるか。軽薄な欲望のために、どれだけ想像力が欠乏しているか。

「失望するたびに逃げてたら何も変わらない。隣の街はここよりマシだと思うか?同じだよ。
人間は驚くほど普遍的で、例外なく嘆かわしい」
コリーの不信感が結局最後まで拭えずじまいだったけど、クライマックスのこのセリフは少しだけ共感した。

キャストが30年以上前から活躍してる往年の俳優たちで、こういう昔ながらの黙認の文化の渦中にまさにいた人たちであろうというのがまた作品の凄みを増してる。
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