古谷一行が磯川警部役で出演した、最後の金田一作品。
要素や人物が省略され、展開もスピーディー。頭の10分ほどで最初の殺人が発生。ただ市川崑版をベースにしただろう脚色は堅実で、手毬唄の4番というオリジナル要素も良い味を出していた。加藤シゲアキの金田一が読んでいる本が「タイヨウノ泪」は洒落が効いてる。
怨念の源たる佐兵衛を善人に脚色してしまった前作「犬神家の一族」や、演出が過剰で上滑りしていた稲垣吾郎版「悪魔の手毬唄」よりは本作の方が仕上がりが上。
ただあの家系図はどう考えてもミスだと思うのだけど、スタッフ誰ひとり気づかなかったのか……