にゃん

70才、初めて産みますセブンティウイザン。のにゃんのネタバレレビュー・内容・結末

3.2

このレビューはネタバレを含みます

子供は産んで終わりじゃない。70才という高齢で妊娠出産することも大変すごいことだけれど、問題はそこからで、子供が20歳になるまで生きていられるか分からないという問題。子供が成長する前に介護が必要になるかもしれない。明日自分が突然死したっておかしくない。
様々なことを考えさせられた。

頼れる親戚もいないこんな状態で子供を産んで、子供の立場からしたら親のエゴだと思うほど大変な人生になってしまうかもしれない。でも夕子がビデオレターで言った「誰よりも長く望まれて産まれてきたことを忘れないで」という言葉にハッとさせられた。
子供が欲しくとも出来ないまま夕子は今やっと命を授かったのだ。

子供・みらいの退院後、家の事が分からない旦那の中途半端な家事手伝いのせいでイライラする夕子だったが、旦那の"外に散歩に行かせる"という気遣いがイライラを落ち着かせるきっかけとなる。子供が出来てから「転ばないように」と足元ばかりを見て歩いていた為、空の青さを忘れてしまっているのだ。
上を見上げると少し気持ちも晴れる。
初期の子育てにおける旦那の存在意味ってきっとそういうところもあると思う。夫婦でお互いを支え合いながら、それが理想的であるべき姿なのだろう。

ご夫婦が最後まで「お孫さんですか?」と言われていて、娘ですと答えても「…面白い!」と冗談だととられてしまう偏見。ちょっと考えてしまうな。


ストーリー↓
定年退職の日、江月朝一(小日向文世)が会社から帰ると妻の夕子(竹下景子)が衝撃の一言。「私、妊娠しました!」認知症を疑う朝一だったが夕子は大マジメ。産婦人科医も目を丸くする。そして、診断の結果、自然妊娠の事実は決定的に。だが、産む気満々の夕子と対照的に、朝一はなかなか覚悟が決まらない。しかも、夕子のパート仲間や親せきは出産に猛反対。だが、担当医(中村梅雀)からおなかの中のわが子を見せられた朝一。

夕子(竹下景子)にうながされ出産準備をする朝一(小日向文世)。だが、実感もなければ覚悟もできていない。だから、母子手帳をもらいに訪れた役場では、担当の黄桜(伊藤歩)から喫煙をとがめられた気がして面白くない。だが、病院で医師の鬼子母(中村梅雀)に見せられたわが子の映像に感動。若夫婦に混じっての「ママパパ教室」では、悪戦苦闘しながらも育児を学んでゆく。そんなある日、予定日を待たずに夕子が破水してしまう。

予定を早めて緊急手術だ。執刀は鬼子母龍太郎医師(中村梅雀)。だが恐怖のあまり朝一(小日向文世)は手術室から逃亡してしまう。そんな中、夕子は無事に女児を出産。命名は「みらい」。感動する朝一だったが、大変なのはこれからだった。次第に育児に疲れてゆく夕子。一方の朝一は、食器の片づけも洗濯もうまく出来ず、足手まといになってばかり。そんな朝一に、遂に夕子の怒りが爆発する。育児と家事でいっぱいいっぱいになった夕子に朝一は「コーヒーでも飲んでくれば」と促す。
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