まぁや

かなたの子のまぁやのレビュー・感想・評価

かなたの子(2013年製作のドラマ)
3.8
 物語のなかで、即身仏のエピソードがでてくる。祖母、やえが子供時代に見聞きしたことを語っているが、そのなかで、苦しみから逃れようと手を伸ばす即身仏の状態に対し、村人たちが嘲るシーンが出てくる。印を結ばず、無様なさまで息を引き取った僧を見下し、その死を罵る場面だ。

 わたしは、このシーンに衝撃を受けた。罪を犯した男が寺で修行を重ね、罪を死で購うために土穴に入ったとき、彼の願いは個人的なものとなったことは否めないが、罪から逃れるためではなく、罪を償うためのものだと思う。

 償いというものはどれ程壮絶なものなのか。。即身仏として体現された様は、恐怖以外にも、懸命に罪を償おうとした僧の思いを教えてくれるのではないだろうか。それはそれとして、尊いことだと思う。

 村人たちの嘲りの言葉を聞いたやえは、即身仏の姿に恐怖の念しか感じ得なかった。。どこに行っても罪からは逃れられないという解釈ゆえの恐怖。

 そんなことはない。人には必ず大いなる赦しが用意されている。とわたしは、思う。
まぁや

まぁや