サンタフェ

ダーク シーズン1のサンタフェのレビュー・感想・評価

ダーク シーズン1(2017年製作のドラマ)
3.7
00年代に流行ったノベルゲー原作アニメのようなドラマ。

Netflixで名作と名高い本作。特になんの前情報も観ずに観始めました。作風として伏線回収や考察向きということはなんとなく雰囲気で知っていました。観終わった後の率直な感想としては評価が難しかったです。

ドイツ制作ということでドイツ語という目新しさ、深淵な森にドイツファションらしいビビットな服装のコントラストが効いた美しい映像、ヴァイキングに似た雰囲気のゲルマンらしい音楽、巧みな演出でとても観やすい作品でした。

本作は1話からあからさまに「謎!」を前面に押し出してくれているので作風が分かりやすく、また多くの情報を布石として置いてくれるので設定や先の展開がほとんど全て読めながら毎話を観ることになります。

感覚としてはドラマというよりは「ひぐらしのなく頃に」や「シュタインズゲート」のような謎解きノベルゲー原作アニメのような文法で作られた作品でした。直接ゲームまで戻るなら「かまいたちの夜」などです。

前述した通り、情報の置き方が非常にわかりやすく作ってくれているので謎が明らかになり騙されるというよりは問題を解きながら観るように設計されている印象でした。ただ本作はゲームではなくドラマなので、頭を能動的に動かさせられるのが観ていてやや疲れるのと、じゃあ自分の予想通りの展開が続いて面白いのかというと別にそんなこともない…という問題が個人的には発生しました。

また、謎が明らかになるタイプの作品としては、同じNetflixオリジナルのストレンジャーシングスや前述のひぐらしといった作品であればホラーというローコンテクストのエンタメ要素があるのに比べ、本作は謎一本なのでホラー・アクション・エログロのようなローコンテクストの面白さはありません。それでもかなりサクサク観れることが演出の素晴らしさを表しているのですが、謎解きに主体的に参加するしかないという作品としての楽しみ方の幅の狭さのようなものを感じました。

作品としての出来はよく面白いかつまらないかでいえば面白いのですが、いかんせん楽しみ方が限定的なのでシーズン1だけでよいかなとなりました。シーズン1で結末までいくリミテッドシリーズでしたら、また評価も変わったかもしれません。
サンタフェ

サンタフェ