人は人の犯した罪を裁けるのだろうか、国は裁けるのだろうか。
無実と無罪は違う。
裁判は有罪か無罪かを問う。
しかし、有罪か有罪ではないか。
Guilty or not guilty
有罪以外は全て無罪が法の原則であって弁護士はそこに手腕を発揮する。
そこには正義などという大義はない。
そんな法廷に正義や人権派などというものを持ち込むからややこしくなる。
土俵が違う。
真実を詳らかにするのが正義とは限らない。
真実は人を不幸にもする。
敏腕弁護士と施設です育った幼馴染との関係、事務所の中の闇、クライアントの組織防衛…、いろんな事情が絡んで物語は進む。
ある人は真実や正義のために、ある人は法と秩序のために、ある人は誰か(何か)を守るために。
誰も大切なものを持って、ある種の信念を持って、それぞれの正義を闇とともに抱えている。
5話に及ぶ長いドラマはそれなりに見続けてしまった。
ストーリーはまあまあだとは思うがキャスティングはちょっと軽い。
人権派弁護士を主役にした方がドラマがあったような気もする。
キャストを逆にしても面白かったかもしれない。
竹中直人はもう少し出てきても良かった。
所謂法廷モノではあるがアメリカ映画によくある「最後に正義は勝つ」的なモノになってはいないのがせめてもの救い。
それはそれでスカッとするけどね。
有罪率は99.7%と言われる日本の裁判。
つまりは沢山の冤罪を作り出す社会でもある。
罪を犯すとどんな罪でも人非人のように扱う日本の社会。
大麻や税金の申告漏れで社会的地位を失い、覚醒剤中毒は病人ではなく犯罪者としか扱わず再犯を繰り返す。
翻って血税を湯水のように使う政権トップと官僚たち。
裁判官の法衣は何物にも染まらぬ黒ではあるがその黒は何で染まっているのだろうか。
余計なことを考えてしまうドラマだった。
これを書いてて評価を0.1上げた。