不眠の男

24 -TWENTY FOUR- シーズン1の不眠の男のレビュー・感想・評価

24 -TWENTY FOUR- シーズン1(2001年製作のドラマ)
5.0
『俺はジャック・バウアー。今日は俺にとって最も長い日になる』
※このレビューでは『24シーズン1』について、リアルタイムの物語〜や内通者が〜と言ったありがちな解説はせず、他シーズンと比べながら解説していきます。

『24』と言って思い浮かべるのがシーズン1です。何だかんだシリーズ最高傑作はシーズン1だと思っています。
『24シーズン1』以降のシーズンは、素晴らしい脚本とスリリングでテンポの良いストーリーが最高に面白いと思いますが、“リアルさ”が欠けてしまっています。時に雑な展開・シーンも目立ちます。
もはやシーズン2以降のジャック・バウアーは超人となり、撃ちゃ当り、眠気の1つも見せません。
しかしシーズン1ではどうでしょう、人間臭さが全開です。
シーズン1でジャックはしっかり“人間”として描かれており、ヒーローとして描きながらも“超人”としては描かれていないのです。
24話中、任務の最中居眠りをしたり、出された食事を忙しなくガツガツ食べたり、時にはCTUに捕まり弱音を吐いたりしています。この超人として描かれていないジャックがまずこのシーズンの魅力の一つだと思います。

“24、展開に無理ありすぎ問題”
シーズン毎に無理がある展開やシーンが増えて行きます。テロリストを捕まえれば逃げられるの連続だったり、シーズン6のグラハムがジャックの弟(あんな似てない兄弟なかなか居ないぞ…)だったり…。
しかしシーズン1は無理のない展開で、でも飽きないストーリー構成なのです。それでいて最高に面白い。
例えば14話なんかはジャックはずーーーと尋問室に居るだけで終わります。
他のシーズンなら
アジト襲撃→尋問→テロリストの携帯から協力者の情報入手→協力者確保→協力者を尋問→証言で〇〇が内通者と判明!
みたいな事を1話でやりますが、シーズン1では1時間という時間をとても現実的に使用しています。
12話にてジャックがゲインズのアジトを襲撃しますが、アジトから脱出するまでに2話分使用しています。
他シーズンなら恐らく30分もかからず終わってしまうでしょう。
こういう所にも、シーズン1の“リアルさ”が感じられます。

“トニー”
皆大好きトニー。トニーと言えば、ジャックが絶対の信頼を置く相棒、悲劇の登場人物という感じが強いですが、シーズン1初登場時はかなり“嫌な奴”として登場します。
規則を守らず勝手な行動が目立つジャックを毛嫌い(後にジャックの行動を認めながらも、「好かない」と言う)し、自分の恋人ニーナの元愛人でもあるジャックに嫉妬心をあらわにする辺り、まだ人間として未熟なトニー。
本シーズンはある意味、“トニーの成長物語”でもあるのではないでしょうか。

“24を彩る方々の他の出演作”
■ザンダー・バークレー(ジョージ・メイソン役)
こやつ、何気にハリウッドの大作に脇役として結構出ており
『ターミネーター2』:牛乳を飲んでる所をT-1000に殺されるジョンの叔父さん
『ヒート』:ハナの奥さんの浮気相手
『ザ・ロック』:冒頭にグッドスピードと毒ガス処理する男
『エアフォース・ワン』:終盤大統領を殺そうとしてエアフォース・ワンと共に海の藻屑となった男
『96時間』:ミルズの妻の再婚相手
に出演。他にも『アポロ13』や『リービング・ラスベガス』、『ガタカ』にも出演。
■ポール・シュルツ(ライアン・シャペル役)
『ランボー 最後の戦場』:人は絶対殺さない!と言うアイツ。最後は石で敵兵を殺害している
■デニス・ホッパー(ヴィクター・ドレーゼン役)
「爆弾は爆発する為に作られてるんだ!それが存在意義であり目的だ!」と豪語する爆弾魔を演じており、それはキアヌ・リーブス主演の某名作アクションである。

“総評”
『シーズン1』が無くして、このドラマシリーズは生まれなかっただけにもはや完成している作品である。シーズン2以降の目まぐるしい早さで進むストーリーに慣れるとやや退屈かもしれない。だが、本来の『24』とはこれなのだ。
と言いつつも、私が1番好きなシーズンは『4』なんだけどね、、、
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