ユーキリス

私という運命についてのユーキリスのレビュー・感想・評価

私という運命について(2014年製作のドラマ)
3.5
5話終盤まで観てようやく気付く。ああこの映画は日本版ファイナルデスティネーションということに。

運命に翻弄されながらも人間としての幸せを掴もうと立ち向かう人々。でもその「運命」の描き方が「死」にとらわれ過ぎていて少々安直な気も。勿論、人間にとって絶対的存在として避けられない運命は死である事に間違いはないのだけれど…… あまりにも狭いコミュニティの中で死を描き過ぎて、作中で急激に使い古されてしまった。
亜紀と康の周囲だけでなく、より無関係な人々の生活も運命という共通のテーマでオムニバス形式で描いた方が良かったのかもしれない。

いくらなんでも康は先祖代々の呪いにかかっているとしか思えなくなってしまった。そうなると「運命」なんて結局は呪いだよね、なんて結論に至ってしまう。それはこの作品が伝えたいテーマとは違うだろうし、理解できる分、とても勿体ない。

【良かった点】
・美しい面も醜い面も、人間の心の機微をとても良く描いている
・合間合間に挟まれる実際の大事件が物語により強い臨場感や現実味を加えている

【悪かった点】
・逆ご都合主義とでも言えるほど次から次へと不幸が襲ってくるので途中から「またかよ!」とツッコミを入れたくなる