maro

ケイジとケンジ 所轄と地検の24時のmaroのレビュー・感想・評価

3.5
これは個人的に推せるドラマだった。
設定がよかったのと、登場人物の掛け合いの圧倒的な面白さがその理由。

捜査上ではパートナーと言えども責任の重さが決定的に違う刑事と検事が、お互いの社会的立場や個人的理由を交えながらやんやしていくっていうのを、面白おかしく描いているのが魅力なんだよ。

大体のドラマって刑事同士の凸凹コンビっていう設定が多いと思うのだけど、これは職業が違う2人の組み合わせってのが新鮮だったといえる。

しかも、桐谷健太が演じた仲井戸豪太は元体育教師で新米刑事というこれまた珍しい設定で、その教師っていうのがちゃんとドラマで活きていたのがグッドポイント。
犯人が元教え子だったり、若い子だったりすると、教師時代の知見を活かして犯人逮捕に繋げていたからね。

前にやってた『SUITS/スーツ』のように、鈴木大貴(中島裕翔)が"何でも記憶できる"という設定がありつつも、そんなに使われていなかったことを踏まえたら、人物の特技をしっかり取り入れてるなーって。

で、この仲井戸豪太にはね、仲井戸みなみ(比嘉愛未)っていう妹がいて、彼女は事務官として検事の真島修平(東出昌大)をサポートしてるんだけど、この真島がみなみに惚れちゃってるからまた話が面白くなるんだよ。

真島は仕事で散々「この刑事めんどくせーなー」って思ってたのに、「え?!みなみさんのお兄さん?!」っていう、まるで『SLAM DUNK』で桜木花道がゴリと晴子を見たときのようなリアクションするからおかしかった。

しかも、そのみなみがまたいいキャラしてて!
最初は大人しめだったのが、回を追うごとにだんだん真島の扱いが雑になっていくというか、ツッコミが激しくなっていって、こんな綺麗な顔してバリバリの関西弁でズバッと言っちゃうギャップがたまんねえなと。

メイン以外の登場人物もみんなコミカルなところがキュートに感じられて、僕は何かと真島に敵対心を燃やす日下直樹(渋谷謙人)と、『踊る大捜査線』の室井さんを彷彿とさせる柳葉敏郎が推しだった。

刑事モノなので、基本は1話完結型なんだけど、コメディ路線を保ちつつ、捜査や取り調べなどの刑事ドラマの基本はしっかり抑えていてバランスがいいドラマだったように思う。

これは続編を希望したい。
maro

maro