ミサホ

警視-Kのミサホのレビュー・感想・評価

警視-K(1980年製作のドラマ)
4.3
これは大好きです。
勝新太郎ってセンスいいと思うのよね。
映像だったり、音楽だったり、カメラのアングルとか、台詞のひとつひとつとか。これは監督・勝新の実験的な作品だそうだ。

刑事の賀津(勝新)は、腕のいい刑事。相棒というか部下は、谷とピピのふたり。在籍する今宿署には賀津部屋という専用の捜査室がある。担当する事件の捜査はほとんどこの3人で行う。あとは情報屋の尾張(川谷拓三)だ。

ある程度の流れはあるのだろうが、台詞のほとんどをその場のアドリブで完成させているらしい。それが思わぬ相乗効果を生み出し、ある種のリアリティを感じさせ、笑いを誘う。実際のところ、かなりの部分でゲラゲラ笑った。

この作品、DVDでVol.6(全13話)まで買ったのだけど、字幕付いてて良かった!付いていなかったら、何言ってるか分からなかったはず。

1話ごとに必ず、娘とのキャンピングカーでのシーンで終わり、山下達郎の「マイ・シュガー・ベイブ」が流れて、なんとも言えないノスタルジーを感じる。(なんかホッコリするのよ)

賀津は可愛らしい顔をしているが、腕っぷしも強くて、そんなところがなんとなくマ・ドンソクを彷彿とさせるし、出演者も中々の渋い役者揃い。

それにしても第10話の原田美枝子には驚いた。歳を召しても十分過ぎるほど美しいが、この時の彼女は別格だ。ずっと見つめていたいほどだった。

台詞はほとんどアドリブだから、勝新の価値観なんかも反映されていて、谷とピピに対する言葉なんかは、こんな上司もしくは父、もしくは年上の友人がいたら、人間的に学ぶところが多いだろうなぁと思った。谷とピピの忠誠心にもそんな「人間的に惹かれる」賀津の人物像が表れていた気がする。

FilmarksにおいてもMark!数が少なくて残念なのだが、実に味のあるドラマだ。もっと多くの人に観て欲しい!
ミサホ

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