フィリップ・K・ディックのエレクトリック・ドリームズの9の情報・感想・評価

鑑賞日：2019/12/05 鑑賞方法：Amazon Prime Video

途中下車

長年駅に勤める平凡な男。彼は不安定な息子に悩んでいた。ある日一人の女が「メイコン・ハイツ」に行きたいと窓口に尋ねて来る。しかしそんな駅は存在しない。しかも彼女は目を離すと消えてしまうのだった。一体その街とは何なのか… 何が現実か分からなくなる系。 街のどこか非現実的な雰囲気が良い。 現実が不幸でも現実に生きることを選ぶ。 息子が問題を起こしても愛し続ける。 強い親子愛だった👨‍👩‍👦 いる人を消すんじゃなくて、いない人を存在させるとかだったら抜け出せなくなる可能性ある。 これは好きな話。

古びた駅の駅員の味気ない日常。家に帰れば問題児の息子と彼に暴力を振るわれる妻。ふとしたきっかけからその駅員は存在しないはずの駅に降りたつ。そこは人々の笑顔が溢れて幸福を享受している理想的な街。そこから家に帰ってくると無自覚のうちに普段の生活が良く感じるようになる。満足のいく日々が続いていくが、何か違和感を感じる。その違和感の原因を主人公が見出したとき、彼は本当に大切な事は何だったのかを悟る。主人公に自分が重なる部分があり自分自身にも素晴らしい気づきがあった。とても良い作品だった。