NHK大河ドラマレビュー第4回は「独眼竜政宗」(1987)
これはおもしろかったですねー。
未だに破られていない、そしてもうこれからも破られないであろう、歴代大河ドラマ史上最高の平均視聴率39.7%ですよ!
この作品からかれこれ35年ほど経つわけですが、自分史上NHK大河ドラマ歴代でもベスト5には絶対入れる作品です。
当時は中1。
歴史も多少わかってきてた頃でしたが、伊達政宗という戦国大名はどんなひとでどういう生涯だったのか、というのは、初めてはこのドラマで知りました。
毎週楽しみに観ました。
脚本がジェームス三木。大河ドラマがおもしろいかどうかは、脚本でほぼ決まりますね。ジェームス三木のつくる大河ドラマ、歴史ドラマはほんとうにおもしろい。
また後日書くとおもいますが、大河ドラマだと「葵 徳川三代」も傑作だ。
ジェームス三木の最高傑作だとおもっているのが、土曜ドラマ「憲法はまだか」。
なかなか見るチャンスが訪れないですが、機会があれば是非ご覧ください。
話を「独眼竜政宗」に戻す。
第1回は政宗が生まれる米沢城から始まるんですよね。
父・輝宗は北大路欣也だ。これがまたかっこいいんですよねぇ。
母・義姫は岩下志麻。岩下さんが美人で勝気な母上でね。好きでしたねぇ。
北に最上義光(よしあき)公がいるんですがこれが原田芳雄。これがまたかっこいい。
「梟雄」っていうんですかね。戦国の世を生き残るためには己の手を他人の血で汚し、どんなに悪どいことも平気でやらなければならいのだ!殺らなければ殺られるんや!っていう。
主人公からみたら油断がならない敵方というか悪役なんですが、悪役がかっこいいドラマはたいてい激アツだ。この原田の義光公はほんとうによかった。私の中で最上義光といえばもう原田義光ですよ!
なんですが、山形のひとらが「独眼竜政宗」をみて、「我らが最上義光公はこんなに悪いキャラじゃない!」ってNHKに抗議電話なりまくりだったとか。
正室の愛姫が後藤久美子。ゴクミは当時なんだか大注目でね、演技もたいしてうまくないのによく出てましたねー。あんまり好きではなかった・・青年時代の政宗役のひとも。それが長じて、渡辺謙と桜田淳子にぶわああっと「変身」するシーンはうおおおおって感じでしたねぇ。
そう、やっぱりこの作品は渡辺謙ですよ!血気盛んで暴れん坊な青年期、食えない壮年期、老成した老年期、それは見事に演じ切りました。娘婿の徳川家康六男・松平忠輝を演じた真田広之とは、年が大して変わらないのに、ほんとうに「百戦錬磨の舅殿」と「血気盛んな若輩の若殿」のコントラストだったですよねぇ。
それはそれはすばらしかった。
この作品は印象に、記憶に残るシーンがほんとうにたくさんあるので思いつくまま列挙していくと
まずは鬼庭左月。いかりや長介ですね!人取橋の戦い!
黄色の頭巾をはいて、雪の馬上、拳を高々とあげて戦いに「死に場所」を得て見事に討ち死にっていうシーンだ。いやーかっこよかった。こればっかりですがほんとうにかっこいいんだよ!
政宗の左右の股肱の重臣、伊達成実と片倉小十郎景綱。三浦友和と西郷輝彦だ。
特に小十郎ですねぇ。怒り狂い暴走する政宗を諌止するんですよ。
「これ匹夫の勇にあらずしてなんぞや!」(°д°)
小十郎が死の床につき、政宗に遺言を残すシーン。
天下の野望はとうに諦め、伊達家存亡のため江戸の徳川幕府とどう対峙していくか・・という時期ですねぇ。参謀役・軍師役として、この後の方策について死の床から述べる。そして嫡男の、これが若かりし高島政宏でしたねぇ。
政宗と成実がね「お前の息子はよくやったぞ!ほめてやれ!」っていうんですよ。
それを受けて、「でかしたぞ・・・」っていう
そしてこれは超有名ですが絶対外せない、輝宗が二本松に欺かれて人質にされて河原のシーン。
前夜に父子盃を酌み交わしてね、もう死亡フラグ立ちまくりなんですよ。まぁ視聴者もそれはわかってるんですが(歴史ドラマってそういう前提でみるものなんで)これが泣ける。
そしてあれだ。「撃て!撃てえええええ!」って父もろとも敵を撃つわけだ。
この演技よ!っていうね
徳川家康が津川雅彦ですね。古今東西、家康を演じられたひとは山ほどいますが、徳川家康といえば津川雅彦ですよ!っていうくらいはまってた。後に「葵 徳川三代」でも家康を演じるんですが、「独眼竜政宗」の家康のほうが私は好きで断然よかったとおもっています。
そうですね、家康が臨終の床にあり、政宗に「あとは頼む」というようなお願いをするわけですが、政宗といえば仙台62万石でしょ、実力もあり、腹に一物野望もあって自分の死後、なにをするかわからないという不安があるわけですよ。
で、家康が「政宗をどうすればよい」みたいに問うて、「ここにあるは政宗にござりまするぞ」
そこで政宗がいうわけ。安心してくださいと。
「いま、政宗が政宗を討ち取ったのでござりまする!」
っていう。あーー名シーンだなやーーー
大崎葛西一揆、政宗が裏で一揆軍に加担してて蒲生を苦戦させようとしやがりました!って蒲生氏郷が秀吉にチクってその申し開き。「鶺鴒の眼」の話ですね。政宗の花押は「鶺鴒」なのですが、政宗の書状には必ず針で鶺鴒の眼の穴をあけておりましたが、その書状にはありません!ってやつ。
それでまんまと難をのがれるのですが、津川家康がこのひとことですよ。
「よいか。セキレイのまなこは、二度と通用せぬ!(°д°)クワッ
いやーーかっけー徳川家康かっけーーー(こればっかりですが
「柳生流、真剣白刃取り!!!」のシーンもよかったなぁ。
剣の達人の柳生宗矩が家康の側近なのね、で、ここを通せ、いや通せませぬ。
うるせー斬ってでも通るぞ!わしにおまえごときが斬れぬとおもうてか!
宗矩「斬れませぬな
政宗「・・! ←抜き打ち抜刀して切りかかる!
宗矩「柳生流、真剣白刃取りにござる!!
家康「(奥からでてきて)どうした騒がしいのうなにをしておる
剣の稽古をしてました、みたいなね。これも覚えてるよねー
かっこよかったー激アツだったよーー
母にトリカブトの毒の椀を盛られるシーンも印象に残ってるし。
「こ、これがこころづくしの御膳でござるか・・!
「綱元ー!綱元ーーーぉぉ
・・ってやってくとキリがないのでそろそろ終わりにしますが、次のシーンは絶対に外せない。小田原で秀吉と初めて対面するシーンだ。
ここね、床几にかけて、政宗をにらみつけてる秀吉!が映ったところで終わって、一週あけて続きのシーンなんですよね。
政宗は白装束で登場して、進み出ようとするところを家康が目で制して、腰に手を2回たたく。それと察した政宗は後退して腰の刀を地面におき、丸腰になって再び進み出る。
「もうすこし遅れておったらここが、ここがなかったぞ・・」といってクビを叩かれてね。豊臣軍で包囲された小田原城を一望できるがけから放尿するんだけど、そのときに腰の刀を政宗に預けて・・
さぁできるものならその刀でわしを刺してみよ!っていうのかなんなのか、政宗も「ううっ」っとムラっとするんだけど、冷や汗をかいて固まる
っていう!
いまでもたまに「大河ドラマの名シーンを振り返る」的な番組をNHKがやることがあるけど、必ず出てくる伝説のシーンですよ!
いやーーーよかったーーーー
・・・歴代大河ドラマの中でも名作中の名作といっていいとおもいます。大河ドラマといえばこれ!っていうやつや!
もしこれから昔の大河ドラマをみてみようかな?と少しでも思ったひと!まずはこの「独眼竜政宗」がおすすめです。ぜひごらんください。(長いけど
★は4.9でお願いします!
では、また!