杉浦直樹の笑い声

大都会PART Ⅱの杉浦直樹の笑い声のレビュー・感想・評価

大都会PART Ⅱ(1977年製作のドラマ)
4.0
「大都会 闘いの日々」から、初めて本作1話を見たとき、事件から逮捕まであまりにあっさり終わるストーリーに驚愕したが、のちの西部警察へと続く名作。

本作の印象は、刑事部屋事務員のさっちゃんフューチャリング、そして凶悪極まりない犯人たち、そして松田優作の強烈な存在感が際立っている。

刑事部屋シーンでは毎回必ずさっちゃんが映るようになっており、殺伐としたドラマ内での癒し効果として大変大きく貢献している。

基本的に単純明快なストーリーだが、1話ごとに全く異なるシチュエーションは毎回新鮮。

神田正輝の役者スキル向上が著しい。
課長の交代劇が2回あり、歴代課長3人ごとに前期、中期、後期と位置づけやすい。
二代目課長の小山田宗徳氏は健康上の問題からか本作品以降主だった出演はなかったような気がする。

仁科明子の出演がほとんどなく、だんだんとOPの紹介画像に違和感(笑)

渋谷病院ののんちゃんもかわいい。徳吉刑事はブスとか言ってたけど…

監督によってワンカットの長さが異常に長いのも面白い
「野良犬の恋歌」の別れを告げる松田優作の長シーンは素晴らしい。

松田優作の、ともすればやり過ぎとも思えるアドリブ、クロさんさえ平気でディスる毒舌は、西部警察含め絶対無比の存在。クロさんも少々もてあまし気味(笑)
しかしながら優作氏扮する徳吉刑事、鋭い洞察力、行動力、後輩刑事へのツッコミ〜教示、課長への物怖じなき提案など担当刑事としてのスキルは相当高くクロさんから絶大な信頼。

長谷川明男がゲスト回、どうしても阿部サダヲに見えてしまう(個人の感想です)

そういえば、徳吉刑事の運転シーンは強盗時一度しかなかったように記憶しているが徳吉刑事が免許ない設定なのか優作氏本人が免許ないのか気になった。

苅谷俊介と仲悪そうな小競り合いシーンが度々出てくるが、プライベートではどうだったのか興味深い。

70年代の渋谷周辺のロケが多く、貴重な資料映像となっている。
ヤマダ電機が地方銀行だったりバスケットボール通り沿いに富士そばがあったり…
三千里薬品は当時からあったり…ミドリヤがあったり

歩道をバイクで爆走や、ダンプの商店街爆走など現在では到底不可能なカーアクションも絶対に外せない!

KKPと書かれた謎ロゴのタンクローリーの不気味さがインパクト絶大。
日産車だけでなくマニア心をくすぐるクルマたちもたまらない。

アパート2階から飛び降りたり、民家の2階ベランダによじ登ったり、火炎放射器からの回避など、俳優陣たちのアクションもやはり現在ではリスキーで不可能な事を実践。

とにかくみどころ、情報量が多い。


余談だが、あれだけアドリブが多い優作氏だったため、倉本先生はもう起用しなくなったと記憶している。
杉浦直樹の笑い声

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