文鳥

池袋ウエストゲートパークの文鳥のレビュー・感想・評価

池袋ウエストゲートパーク(2000年製作のドラマ)
4.0
今更視聴。
堤幸彦はそんなに好きじゃなかったが、この作品は油が乗り切っている感じがしてめちゃくちゃ尖ってる。クドカンも正直切れ味がすごい。2000年、池袋、日本がまだ文化的にも未発達だった頃のもはや文化的な歴史的な価値のある資料だと思う。ガングロ、カラーギャング、ネズミ講、親父狩り。今だからこそ笑ってしまうような社会的な現象が当時は真面目だった。正直、現代のクソみたいな世界で見ると可愛らしく見える。
11話構成で、カット割、編集、脚本の制度と構成が素晴らしく、全く現代でも見劣りしない作品である。笑いとシリアスのバランスが非常にいい。
11話のラスト、窪塚と長瀬が殴り合うシーンは泣いてしまった。「話し合いとかそんなのうんざりなんだよ」「いつだってシンプルだろ。殴りてえから殴る」「俺だって死ぬのこえーんだよ」不適切ーを同時に視聴しているからか、複雑な世界の中でただただシンプルな本能的な正しさのようなもの、青さのようなものを叩きつけられて魂が震えるぐらい感動した。ごちゃごちゃうるせーんだよって言って殴りたい時もある。話し合いで解決しないこともある。どうしたって泣いたり、殴ったり、血出したりしなきゃわからないことがたくさんあるのに、私たちはいつも安全地帯から小難しい言葉で行動しない自分をただひたすらに守り続けている。よかった。走りたい。
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